...車輪を洗ふ許りに涵(ひた)々と波の寄せてゐる神威古潭(かむゐこたん)の海岸を過ぎると...
石川啄木 「札幌」
...これが根本をなすところの科学的思想の涵養(かんよう)はけっしてさほど容易ではないという点である...
石原純 「日本文化と科学的思想」
...八 軽の水を払う者涵澹然たり――軽払レ水者涵澹然...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...善と社会的自覚の理想を涵養(かんよう)してくれた...
アントン・チェーホフ 神西清訳 「桜の園」
...清水に涵(ひた)した梨の味にも秋はもう深かつた...
近松秋江 「箱根の山々」
...その地形的特徴から生ずるあらゆる風土的特徴に適応しながら次第に分化しつつ各自の地方的特性を涵養(かんよう)して来たであろう...
寺田寅彦 「日本人の自然観」
...お今の心を涵(ひた)しはじめるのであった...
徳田秋声 「爛」
...明朗濶達なる国民の気風を涵養し...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...師範大学では「特に教育者たるの人格の養成及び観念の涵養に力むること」になるそうである...
戸坂潤 「思想としての文学」
...又邵晉涵の爾雅正義には呂氏春秋造類篇に元者吉之始也とあるのを擧げ...
内藤湖南 「爾雅の新研究」
...神瀬(かんなせ)の四大川によつて涵養されるのである...
中村憲吉 「三次の鵜飼」
...科学精神の涵養もあまり型にはまって来ると...
中谷宇吉郎 「簪を挿した蛇」
...涵養(かんよう)を受けるので...
夏目漱石 「創作家の態度」
...吾人に大切な涵養物(かんようぶつ)を奪われたると一般で日に日に痩(や)せ果(は)てるばかりであります...
夏目漱石 「創作家の態度」
...思想等を涵養(かんよう)し...
新渡戸稲造 「東西相触れて」
...薄ッペラなバラック町の気分に朝から晩まで涵(ひた)っている新しい東京人の気持ちが...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...只そういった気分に涵(ひた)りたいために二円乃至四円を奮発するので...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...怠らない讀書と良識の涵養とか...
吉川英治 「折々の記」
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