...岸辺の水がいくらばかり多く草を浸すようになったとかいうような事実は決して皆無とは申されませんが...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...原野浸毒に因れる茅葭の枯涸及び草屋葺料買入費増加...
田中正造 「公益に有害の鑛業を停止せざる儀に付質問書」
...銅壺(どうこ)に浸(つか)った酒の燗(かん)などを見ながら...
徳田秋声 「爛」
...なお向うには夕靄(ゆうもや)に浸った野が見えていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ライン河の声がすべてを浸した...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...恍惚と祈念との情をもって浸り込んだ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...洗足(すすぎ)のお湯の中へ足を浸していると...
中里介山 「大菩薩峠」
...水に浸(つか)った家(うち)は大変だろう」と自分はまた聞いた...
夏目漱石 「行人」
...行手の線路に対する不安は一の関あたりから増大して居たのですが、小牛田の駅まで辿り着くと、不意に――真に不意に、駅夫と車掌が、松島、鹿島台あたりの洪水のために、線路に浸水して、列車は当分動く見込は立たないということを――、客車毎(ごと)に知らせて歩いたのです...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...ずつぷり水浸しになつて来た...
林芙美子 「浮雲」
...しゃがんだはずみに腰に下げた印籠が半分ばかり藍甕の藍に浸(つ)かったのをお前さんは気がつかなかった...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...恍惚感に浸ったが……...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...一層浸透的であり...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...とけるやうに浸みるやうに風につれて流れて来るのでした...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...地質は石灰岩のため風浪に浸蝕されて逸宕(いっとう)たる趣きだ...
横光利一 「欧洲紀行」
...寒梅の香をふくむ冷(ひや)やかな夜気がそこへ浸(ひた)ってくる...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...しつとりとした大氣のなかに身に浸む樣な鮮さが漂うて自づから眼も心も冴えて來る...
若山牧水 「熊野奈智山」
...過去の学識をなげうってキリスト教的な愛の実践に浸り込んだパウロ・キョーゼンも山口から来ている...
和辻哲郎 「鎖国」
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