...それはもはやさだかではなく混沌(こんとん)としていた...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「ウェストミンスター寺院」
...葉子の心はただ渾沌(こんとん)と暗く固まった物のまわりを飽きる事もなく幾度も幾度も左から右に...
有島武郎 「或る女」
...すべての初めにありしものは渾沌にてありし...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...雨になほ一層混沌たり...
大町桂月 「阿武隈川水源の仙境」
...してみれば欧米の家庭にしばしば見るような色彩形状の混沌(こんとん)たる間に毎日毎日生きている人たちの風雅な心はさぞかし際限もなく深いものであろう...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...大戦の直ぐあとの混沌とした時代に発生した...
谷譲次 「踊る地平線」
...あたりは混沌としてゐるに相違ない...
田山録弥 「心の絵」
...渾沌(こんとん)のなかから出てきたばかりの頭脳の幻覚...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...混沌たる明治文明の赴くところは大正年間十五年の星霜を経由して遂にこの風俗を現出するに至ったものと看るより外はない...
永井荷風 「申訳」
...混沌(こんとん)と錯綜(さくそう)とをきわめた現代の世界像を前にして...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...この恐ろしい混沌の中から逃げ出そうと必死になって這いずり廻ると...
久生十蘭 「魔都」
...この暗がりの混沌(こんとん)が私の平和を擾(みだ)すのだらう...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...私達が自分で釀(かも)した混沌(こんとん)の中から段々と秩序を見附け出して來るのは樂しいことであつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...斯んなに無辺に極まりなく混沌とした大空の下で...
牧野信一 「「学生警鐘」と風」
...混沌の大気の中に...
牧野信一 「心象風景」
...充溢にほかならぬ渾沌の世から抜き出して...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「悩みのひととき」
...この世の機構はそんなに混沌として乱脈ではない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...「世情はまだ渾沌(こんとん)だわえ...
吉川英治 「私本太平記」
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