...薔薇(ばら)のいのする沈黙を追い払おうとするように...
芥川龍之介 「路上」
...またたとえ据付けたところで多年にわたって河底に沈澱した鉱毒は容易に消滅しないばかりか...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...淋しい沈默した自然に向つて叫ぶ人間の聲だ...
千家元麿 「自分は見た」
...沈黙が来た...
高見順 「如何なる星の下に」
...空が曇ったのか日が上野の山へかくれたか畳の夕日が消えてしまいつくつくほうしの声が沈んだようになった...
寺田寅彦 「根岸庵を訪う記」
...君の父は始終沈着で...
豊島与志雄 「父の形見」
...彼の完全な沈黙は破られなかったし...
中島敦 「李陵」
...爺(ぢい)が膳(ぜん)さかうだに滾(こぼ)して」と彼(かれ)は先刻(さつき)よりも低(ひく)い聲(こゑ)で「おとつゝあに見(み)らつたら怒(おこ)られつから」斯(か)ういつて又(また)「汝(わ)ツ等(ら)おとつゝあは怒(おこ)りつ坊(ぽ)だから」と沈(しづ)んで呟(つぶや)くやうにいつた...
長塚節 「土」
...ちょうど木槿垣(むくげがき)を一重隔てて南隣りは沈澱組(ちんでんぐみ)の頭領が下宿しているんだから剣呑(けんのん)だあね」「困るね」と東風君が気の毒そうに調子を合わせる...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...夕日が沈んで、海がくらくなりかけた...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...獨坐沈思、宇宙無邊の大より物質微塵の細に至るまで、其理を案じ其働を察し、乍(たちま)ち得たるが如くにして又乍ち失ひ、恍として身躬から其身の在る處を忘れ、一心不亂、耳目鼻口の官能も殆んど中止の姿を呈したる其最中に、突然家計鹽噌の急に促され、金錢受授の俗談に叫ばるゝが如きありては、思想の連鎖一時に斷絶して又舊に復するを得ず...
福澤諭吉 「人生の樂事」
...」また沈默...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...私達はとかく沈黙がちに林道の方へ歩いて行った...
堀辰雄 「木の十字架」
...その時はじまった沈黙で...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「幸福への意志」
...沈んだ昂奮のために前のめりになり...
室生犀星 「三階の家」
...沈湎(ちんめん)とさしうつ向いているのだった...
吉川英治 「新書太閤記」
...身を沈めて来た刹那(せつな)に...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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