...暑さが身に沁みて...
有島武郎 「かんかん虫」
...深くも胸の底に沁みる...
石川啄木 「天鵞絨」
...歯ぐきに沁み透る汁気のつめたさは...
薄田泣菫 「独楽園」
...声である――が身心に沁みとほる...
種田山頭火 「旅日記」
...強い日光が痛いほど沁み込んで...
徳田秋声 「爛」
...薬の香の沁み込んだ毛布やメリンスの蒲団を二階へ運んでいた...
徳田秋声 「爛」
...月夜の晩に、拾つたボタンは指先に沁(し)み、心に沁みた...
中原中也 「在りし日の歌」
...それじゃおかみさんご機嫌よう、二度と忠太郎は参りやしません――愚痴(ぐち)をいうじゃねえけれど、夫婦は二世(にせ)、親子は一世(いっせ)と、だれが云い出したか、身に沁みらあ...
長谷川伸 「瞼の母 二幕六場」
...耳から心の中に沁み入り不思議な感じを起させるのであつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...若しも軒先に煙草の看板ほどの酷く煤けた「おとまり宿」といふ板が掛つてゐなかつたら見逃すのが当然沁みた草葺屋根の不恰好な二階屋だつた...
牧野信一 「るい」
...ぐぐうつと腹の底迄酒が沁みると...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...岩から沁み出る清水の冷たさも加わって...
室生犀星 「蛾」
...一人の注いでくれた珈琲が痛みのように腹に沁みた...
山川方夫 「その一年」
...眼に沁みこもる葩の白さに彼は急に結婚のことも忘れた...
横光利一 「旅愁」
...左右の欠刻から沁み出る護謨(ごむ)液が中央に集つて落ちるのを採収夫が硝子(ガラス)の小杯(コツプ)に受けて廻るのである...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...さかづきに梅の花うけて思ふどち飲みてののちは散らむともよしが何か心象に沁みてくるような香があってわすれられない...
吉川英治 「梅ちらほら」
...昆虫はじいっと背から沁みとおる太陽に腹を膨(ふく)らませていた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...身に沁みて知っている...
吉川英治 「宮本武蔵」
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