...桜の木に棲んで、その葉を餌とし、おまけにその枯つ葉を縫ひ綴くつて、一冬の寒さ凌ぎの料とすることをのみ知つてゐる簑虫にとつては、気紛れで、ひと一倍感じやすい桜の葉は、自分の一生を託するにしては、信頼の出来かねる相手に相違ない...
薄田泣菫 「独楽園」
...而も彼女の気紛れから...
辰野隆 「感傷主義」
...気紛れにいつもは出たことのない東京駅東口へ出てそこから車を拾って帰ったが...
寺田寅彦 「箱根熱海バス紀行」
...」羊三は一つ急ぎのものがあつたので、それを書きあげてから、ゆつくり作業を見てまはらうと思つてゐたのであつたけれど、傍へ来てみると、彼の気紛れで、格別さう見なくてはならないほどの興味も感じなくなつた...
徳田秋聲 「籠の小鳥」
...贅沢や気紛れであって堪るものか...
豊島与志雄 「悪夢」
...他愛ない夢か気紛れの冒険かに過ぎないと思われたのに...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...彼女はジョルジュの気紛れに逆らうことができなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...太鼓の音は如何にも気紛れなものに思えた...
豊島与志雄 「春盲」
...時折の偶然な気紛れのままに...
豊島与志雄 「生活について」
...細君が気紛れに市の仕立屋へ注文した...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...つひぞない娘の気紛れに噴きだしながら...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...しょせんは気紛れの浮気おんな...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...気紛れな柏の事だから...
松本泰 「日蔭の街」
...地震鯰ははなはだ気紛れで...
武者金吉 「地震なまず」
...他人の気紛れや不注意のためにここにまぎれこんだ欠点*については...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...その雲の尖端(さき)を気紛れな太陽が少し染めると...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...それは流行や偏見や気紛れの影響を蒙らない...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
...実は私の此処に来たのはひどい気紛れからで...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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