...蓮杖のは椿岳の真似をしたばかりで椿岳の洒脱と筆力とを欠き...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...家の者たちを笑わせるのには事を欠きませんでした...
太宰治 「人間失格」
...まさか私一人の用くらいに事は欠きませんから...
近松秋江 「霜凍る宵」
...あらゆる義理を欠き...
寺田寅彦 「変った話」
...諸社会科学が正常な見透しを欠きはしないかを警告している*...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...我が歴史的文化との融和を欠き...
戸坂潤 「再び科学的精神について」
...衆議院は噪暴急激にして沈重なる思慮を欠き...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...其の実質は薄弱にして統一を欠き...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...息子が五十仙(セント)の昼食にも事欠きながら病と闘っていることを人伝(ひとづて)に聞いたトマス・スティヴンスン氏は...
中島敦 「光と風と夢」
...それは絢爛(けんらん)豪華でノクターンの模糊(もこ)たる情緒を欠き...
野村胡堂 「楽聖物語」
...反対に口語は、音律が散文的で、緊張を欠き、重苦しく無変化でぼたぼたしている...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...残り二帖に事を欠き...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...神功(じんぐう)皇后征韓の船中秣(まぐさ)に事欠き...
南方熊楠 「十二支考」
...夫の名のみ記して妻の名を欠き...
南方熊楠 「十二支考」
...落ちつきを欠きます...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...スフィンクスから欠き落とされた表現は...
夢野久作 「鼻の表現」
...――ただならぬ御苦戦の折、しばしなりと、勤めを欠き、何かと御用も怠っておりましたが、向後(こうご)はお心安く思し召しくださりますように」いつものように静かな沈重な物腰である...
吉川英治 「新書太閤記」
...そちたちも、気ぼねが折れたことだろう」「桑名(くわな)を通るにも、長島へ入るにも、細心を要しましたが、しかし、長島城内へ足を入れると、これは成功するなと、何やら、予感がいたしました」「ふうむ、そのような士気が見えたか」「かねて、大坂表からお手をまわして、長島の家中や、城下の間にまで、いろいろお手をつくしておかれた御工作が、あきらかに功を奏(そう)しているものらしく……城下に来ておる徳川方の部隊と、北畠家の武者たちとは、互いに、冷たい眼で、行動を監視し合い、城中の士は同じ城内にありながら、何となく、一致を欠き、異論をいだきあい、とんと、ぬる湯にはいっている感じでした」秀吉は、さもあろう、とうなずいた...
吉川英治 「新書太閤記」
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