...尤(もつと)も、大饗に等しいと云つても昔の事だから、品数の多い割りに碌な物はない、餅、伏菟(ふと)、蒸鮑(むしあはび)、干鳥(ほしどり)、宇治の氷魚(ひを)、近江(あふみ)の鮒(ふな)、鯛の楚割(すはやり)、鮭の内子(こごもり)、焼蛸(やきだこ)、大海老(おほえび)、大柑子(おほかうじ)、小柑子、橘、串柿などの類(たぐひ)である...
芥川龍之介 「芋粥」
...「蜜柑が食べたくなつた...
薄田泣菫 「茶話」
...すぐ左隣の「藪柑子集(やぶこうじしゅう)」を抽き出して...
寺田寅彦 「柿の種」
...外套の隠しへねじ込むと蜜柑がつかえるから...
寺田寅彦 「まじょりか皿」
...神官(しんくわん)は小(ちひ)さな筑波蜜柑(つくばみかん)だの駄菓子(だぐわし)だの鯣(するめ)だのを少(すこ)しばかりづつ供(そな)へた卓(しよく)の前(まへ)に坐(すわ)つて祝詞(のつと)を上(あ)げた...
長塚節 「土」
...向き合ひに腰かけたる夫人樒柑(ママ)の皮へ吸殼を吹く妙...
長塚節 「十日間」
...余は夏蜜柑を食いながら...
夏目漱石 「京に着ける夕」
...鍛冶屋や鋳物師(いものし)の二階の窓から往来(おうらい)へほおる安蜜柑じゃねえ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...たわわに柑橘類(かんきつるい)のみのった山裾をいい香りをかいで歩きながら...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...もう家には上らずに蜜柑の樹の蔭で牛乳(ミルク)だけを飲んで出かけた...
牧野信一 「F村での春」
...枝なりの蜜柑などを各自の両手に携えながら...
牧野信一 「村のストア派」
...冬は色づく蜜柑畑と...
正岡容 「わが寄席青春録」
...その汁と前の汁とを混ぜて掻き廻すとドロドロの物が出来ますからその中へ蜜柑(みかん)の身と林檎(りんご)の小さく切ったのとを沢山混ぜて出しますとなかなか美味(おい)しゅうございます...
村井弦斎 「食道楽」
...蜜柑(みかん)の丸煮が出来ている...
村井弦斎 「食道楽」
...南国の甘い夏を包んでいるような柑子が好い...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 森鴎外訳 「家常茶飯」
...柑子は口直しに後でいただきます」と...
吉川英治 「三国志」
...蜜柑畑のみどりが濃い...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
...しきりに、唇(くち)が乾くので、(蜜柑が喰べたい)と、ふと洩らしたところ、この数日来、なんにも喰べないでいる彼女の容態をひどく心配していた城太郎は、(蜜柑――)と、問い返すと、早速、それを取りに、先刻(さっき)ここを出て行ったのであった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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