...「生きむと欲する意志」は盲目に本能的に死を怖れてゐる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...わたしは本能的にイラ/\して来る...
犬養健 「愚かな父」
...栄介たちは本能的に察知していた...
梅崎春生 「狂い凧」
...根本的な誤謬を考えなおす余裕もなくただ本能的に警官隊から脱(のが)れようと焦った...
海野十三 「深夜の市長」
...本能的に防禦でもするように脚を折りまげて...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「麻酔剤」
...そして殆んど本能的に幾つもの空咳が為された...
豊島与志雄 「生あらば」
...子供をも大人をも本能的に抱き込む...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...山内へ振向いた一人が、その掠めた閃きに、本能的に、身を躱して、一足退ると、自分の横に、立っている一人が、頭から、赤黒い血を、顔一面に――何うして、そんなに、流れたかとおもうくらいに、血にそまりつつ、よろめき、よろつき、両手で、頭を押えて――眼だけを白く剥き出しつつ、だが、眼瞼に、血をためて、頭を先に、胸を先に、よろめいて、歩き出すと、二三歩で、顔を歪めて、草の上へ倒れるのを見た...
直木三十五 「南国太平記」
...本能的にお雪の駕籠を追いかけて走りました...
中里介山 「大菩薩峠」
...魚は本能的に廻游の方向をかえて...
中谷宇吉郎 「大謀網」
...横井源太郎の手は、殆んど本能的に、蠅の浮んでゐない方の盃に伸びましたが、何の氣なしに、フト擧げた眼に、打越金彌の顏が映ると、その青白い顏に、ほんの一瞬、冷たい笑が浮んだやうに見えたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...本能的に、毒舌家の富岡を、ひどいめにあはせてしまひたいやうな、反抗の気が湧(わ)いた...
林芙美子 「浮雲」
...与平は本能的に何かを求めた...
林芙美子 「河沙魚」
...仁作は本能的にさう思ふと...
北條民雄 「無題※[#ローマ数字1、1-13-21]」
...秀之進は本能的に道の左がわへ跳び...
山本周五郎 「新潮記」
...私は用心しなくともよかろう……とは思いつつ本能的に用心しながら静かに硝子(ガラス)窓を押し明けた...
夢野久作 「暗黒公使」
...婆惜(ばしゃく)は本能的に...
吉川英治 「新・水滸伝」
...本能的に、刀だけは、ぴたっと、前へかまえていた、そして、一角はと見ると、大刀は抜かず、小脇を払って、あれが、ほんとの一角の眼か――と見られる凄(すご)い眸を、ジッと刃のみねから真っ直ぐにつけている...
吉川英治 「無宿人国記」
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