...又(また)もやすぐに朦朧(もうろう)と消(き)えかかる……...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...只朧気(おぼろげ)にその景色がこんな風なものであるということを...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...一面の朧の中に薄煙を敷いた道が...
泉鏡花 「遺稿」
...「朧夜(おぼろよ)や顔に似合はぬ恋もあらん」といふ句をふと思ひ出した...
犬養健 「朧夜」
...朦朧(もうろう)としたる他人の姿が一緒に写っていたことがある...
井上円了 「おばけの正体」
...春廼舎朧(はるのやおぼろ)時代にはやはりこの気分が濃厚であったのは雅号でも推量(おしはか)られよう...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...伏して思ふ朧々(おぼろおぼろ)の昔かな十二月三十一日 霧島神社奉納句を徴さる...
高浜虚子 「五百五十句」
...斬られたさむらいの屍骸を抱え込んで、どう始末しようという当てがあるでもなく、朦朧たる酔眼を、幾度も幾度もみはって、「扁鵲(へんじゃく)の言いけらく、よく死すべきものを活かすにあらず、よく活くべきものを活かしむるなり」こんなことを言いながらも、多少は正気があると見えて、有らん限りの力を入れて、その死骸をせめて往来の片端へでも運んでやろうと、努力を試みているもののようです...
中里介山 「大菩薩峠」
...しかし三四郎はこの矛盾をただ朧気(おぼろげ)に感じたのみである...
夏目漱石 「三四郎」
...東西の方角までも朦朧(もうろう)たらしむるに代え...
新渡戸稲造 「東西相触れて」
...朧月(おぼろづき)の街に飛び出したのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...永久の眠りこそ望ましいわい」という朧気(おぼろげ)な声がきこえてきました...
久生十蘭 「ハムレット」
...「まことに今宵は、大原の里のざこ寝とて、庄屋の内儀、娘、又下女下人にかぎらず、老若のわかちもなく、神前の拝殿に、所ならひとて、みだりがはしくうち臥して、一夜は何事をも許すとかや、いざこれよりと、朧なる清水、岩の陰道、小松をわけて其里に行きて、手つかむ計りの闇がりまぎれにきけば、まだいはけなき姿にて逃げまはるもあり、手を捕へられて断りをいふ女もあり、わざとたはれ懸るもあり、しみじみと語る風情、ひとりを二人して論ずる有様もなほをかし」これは今も猶俳句の季題には、古りし昔の年中行事として残つている「大原の雑魚寝」のことであるが、私の歌の意味は、「祇園の雑魚寝」はそれとは違つて、美しい舞妓達と枕を並べて寝るのだから、何となく色つぽく艶めかしいと言うのである...
吉井勇 「雑魚寝」
...ぼやっとした朧月(おぼろづき)も...
吉川英治 「江戸三国志」
...朧々(おぼろおぼろ)になっていた...
吉川英治 「私本太平記」
...白々とした花だの春の朧(おぼろ)が思い出されるのみだった...
吉川英治 「私本太平記」
...朧夜(おぼろよ)だった...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...刃紋(はもん)は朧夜(ろうや)の雲に似る五(ぐ)の目(め)乱(みだ)れ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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