...最前から彼の耳朶に押しあてられていた熱い唇が横に移動して彼の頬の方から...
海野十三 「棺桶の花嫁」
...今余が辛抱(しんぼう)して向き合うべく余儀なくされている鏡はたしかに最前から余を侮辱している...
夏目漱石 「草枕」
...この様子を最前から窓かけの蔭に隠れて聞いていたのは...
夢野久作 「正夢」
...最前から圓太の噺...
正岡容 「小説 圓朝」
...しきりに最前から一戦挑みかけたい闘争意識が火のように全身に疼いてきてならないのだった...
正岡容 「小説 圓朝」
...しかし私は最前から吐きそうな気持ちになっていた...
夢野久作 「冗談に殺す」
...続いて最前から女王の姿に扮装しつつ平然として場内を逍遥し続けていた年増(としま)女に近づいて行ったが...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...最前から傍(かたわら)で見ていた月姫はニッコリしながら...
夢野久作 「奇妙な遠眼鏡」
...最前から憂鬱(ゆううつ)な顔をし続けていた澄夫は...
夢野久作 「笑う唖女」
...青い編笠に紺かたびら、藁草履(わらぞうり)の音を静かに摺(す)って、最前から、二度ほどその寺町を行き戻りしていた侍が、「はてな、さっきの八刻半(やつはん)は聞きちがえであったろうか」つぶやきながら、とある所の欅(けやき)の根に腰をおろして、「――でなければもう九刻(ここのつ)、そろそろ見えてもよい時分だが」と、くり返して、道のあなたをしきりと見ています...
吉川英治 「江戸三国志」
...「まア、待てッたら」「ちゃんも来るのかい」「第一、どこでどうしたのか、その見当もよくついてやしまいに」半五郎の口ぶりは、最前からみると、だいぶ子供の実力を認めてきました...
吉川英治 「江戸三国志」
...――最前から各の声音を通して...
吉川英治 「三国志」
...最前からのあの使者の言には耳を傾けて聴くべきものがあるからです...
吉川英治 「新書太閤記」
...最前からも、屏風(びょうぶ)の内で、同室上野介の方の様子を、全神経で知ろうとしていたのではあるまいか...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...最前からうしろに両手をつかえて機(おり)を見ているのであったが...
吉川英治 「親鸞」
...今も、その儚(はかな)い流浪の途中に過ぎない――「お通どのと申されたの――」彼女の迷っている顔いろを見て、髯(ひげ)侍の庄田が、「どうであろう、最前から、申しそびれていたが、これから奈良へ行かれるより、わしと共に、小柳生(こやぎゅう)まで来てくれないか」といい出した...
吉川英治 「宮本武蔵」
...「最前から見ておるが...
吉川英治 「宮本武蔵」
...お金で払っておくんなさいまし」最前から...
吉川英治 「宮本武蔵」
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