...時たま、しわぶきの声をさせるものがあっても、それは、かすかに漂(ただよ)っている墨の匂(におい)を動かすほどの音さえ立てない...
芥川龍之介 「或日の大石内蔵助」
...余の室に這入った時たまたま外に在った附添婦は手に一つのコップを持って帰って来たのであった...
高浜虚子 「子規居士と余」
...その時たまたま記憶に甦って来た曾遊(そうゆう)のスコットランドの風景を偲(しの)ぶ詩を二三行書くともなく書きとどめ...
太宰治 「女の決闘」
...ひょいと指先でつまんで召し上る事さえ時たまある...
太宰治 「斜陽」
...時たまこの地方の何々文化会とか...
太宰治 「親友交歓」
...……時たま、ひとりで、ひどく沈んでいるけれども、そのさまが、いっそう女のひとの心を、かゆがらせる...
太宰治 「人間失格」
...時たま大いなる失敗を演じ...
太宰治 「花吹雪」
...それでも時たま、復員の青年などが、小説の話を聞かして下さい、などと言ってやって来る...
太宰治 「母」
...時たま強い風にあふられてさつと白い葉裏をひるがへす対岸一帯の草木や...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...いじらしい笑みを浮かべて時たまの夢に現われるだけになってしまうだろう――そんなふうに彼は高を括(くく)っていた...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「犬を連れた奥さん」
...時たま此処らの明るい町の明るい店先へ立つと全く別世界へ出たような心持になって何となく愉快である...
寺田寅彦 「まじょりか皿」
...時たま酔っ払った勢いか...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 加藤朝鳥訳 「橙の種五粒」
...これも時たま夢に出てくるひとで...
豊島与志雄 「復讐」
...私(わたし)さへ身を節倹(つめ)れば時たまはお口に合ふ物お小遣(こづか)ひも差あげられるに...
樋口一葉 「十三夜」
...ただ時たま扉があいてゐることがあるだけで...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「狂人日記」
...ただ時たま、山の住民どもは、山腹に何か長い陰影(かげ)がチラチラ映るのに気づくけれど、空は晴れ渡つて、雨雲ひとつ無い...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...昔から時たまこういう催しをやったが...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...時たま、造花屋で大物の造花を拵(こしら)える時に雨戸が開くくらいだった...
室生犀星 「三階の家」
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