...時しも頃は若人の心が高きに向う晩春なので...
石川欣一 「可愛い山」
...時しも廊下を蹈鳴(ふみなら)して...
泉鏡花 「活人形」
...時しも、鬱金(うこん)木綿が薄よごれて、しなびた包、おちへ来て一霜(ひとしも)くらった、大角豆(ささげ)のようなのを嬉しそうに開けて、一粒々々、根附だ、玉だ、緒〆(おじめ)だと、むかしから伝われば、道楽でためた秘蔵の小まものを並べて楽しむ処へ――それ、しも手から、しゃっぽで、袴(はかま)で、代書代言伊作氏が縁台の端へ顕(あら)われるのを見ると、そりゃ、そりゃ矢藤さんがおいでになったと、慌(あわただ)しく鬱金木綿を臍(へそ)でかくす……他なし、書画骨董の大方を、野分のごとく、この長男に吹さらわれて、わずかに痩莢(やせざや)の豆ばかりここに残った所以(ゆえん)である...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...雑木は時しもの新緑に...
江見水蔭 「怪異黒姫おろし」
...時しも寒気(かんき)肌(はだへ)を貫(つらぬ)くをりふしなれば...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...時しも冬の雪ふりつゞき雪吹(ふゞき)もやまざりければ...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...時しもあれや東の方...
正岡容 「旧東京と蝙蝠」
......
三好達治 「一點鐘」
...「時しもあれ秋やは人の別るべき有るを見るだに恋しきものを」こんな思いで源氏は寝ざめがちであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...時しも秋、四方の水声はもっとも烈しい季節だった...
吉川英治 「上杉謙信」
...時しも秋の半ば、御車(みくるま)の簾(すだれ)は破れ、詩もなく笑い声もなく、あるはただ、惨心のみであった...
吉川英治 「三国志」
...唯うろたえるのみだったが――時しもあれ一彪(ぴょう)の軍馬がまた...
吉川英治 「三国志」
...時しも孔明は、隴西の麦を押える目的で、鹵城(ろじょう)を包囲し、守将の降(こう)を容れて、「麦は今、どの地方がよく熟しているか」と、その降将に質問していた...
吉川英治 「三国志」
...時しも沛然(はいぜん)として大驟雨(おおゆうだち)が降ってきた...
吉川英治 「三国志」
...時しも、といってよい...
吉川英治 「私本太平記」
...時しもあれ――ほど遠からぬところにあって...
吉川英治 「神州天馬侠」
...時しもその日は、朝からの大雪...
吉川英治 「新・水滸伝」
...時しも非常ながら...
吉川英治 「新・水滸伝」
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