...追羽子をつくばの山に上らむと思ひたちしは、明治二十四年の夏、富士山にのぼりし時の事なるが、荏苒たる歳月、つくばねの名に負ひて、ひい、ふう、みい、よ、いつ、六歳を數へ來て、都は春の風吹き、山色翠を添ふる今日この頃、少閑を得て、遂に程に上る...
大町桂月 「春の筑波山」
...椿(つばき)先(ま)づ揺れて見せたる春の風昭和十年四月二十日 あふひ還暦祝...
高浜虚子 「五百句」
...化粧して気分すぐれず春の風邪一月二十八日 丸之内倶楽部俳句会...
高浜虚子 「五百五十句」
...耳をかすめて通る春の風と...
太宰治 「陰火」
...春の風にたぶらかされているのではないかと思いました...
太宰治 「トカトントン」
...悪の数々、目おおえども、耳ふさげども、壁のすきま、鉄格子の窓、四方八方よりひそひそ忍びいる様、春の風の如く、むしろ快し...
太宰治 「HUMAN LOST」
......
内藤鳴雪 「鳴雪句集」
...淺い春の風を一パイに吸つて悠々自惚心を樂しんで居る樣子です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...紫に春の風吹く歌舞伎幕憂しと思ひぬ君が名の皺昔の劇場風景...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...春の風なら柔(やわら)かになでるのだけれど...
別所梅之助 「雪の武石峠」
...諸国を行脚(あんぎゃ)して俳人に句を書いてもらふたといふその帳面を見るに春の風磯(いそ)の月夜は唯白し雉(きじ)啼(ない)て静かに山の夕日かなの如きがある...
正岡子規 「病牀六尺」
...前「下妻と八重に打ち合ふ春の風...
南方熊楠 「十二支考」
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三好達治 「短歌集 日まはり」
...春の風物気分とシックリ調和しているので「蝶は無意識に舞っている」と云えるであろう...
夢野久作 「能とは何か」
...平和な春の風にふかれて見える...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...そこらを漂(ただよ)っている春の風は...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...せうべんの先を曲げるよ春の風というのがある...
吉川英治 「随筆 新平家」
...春の風がとかしてくれるかも知れぬ...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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