...この清浄の境に身を置きながら種々の妄想を起して再び月の薄雲に掩(おお)われたるも知らざりし...
饗庭篁村 「良夜」
...七条八条法性寺柳原の天を掩ひ戦鼓を打ちて閧をつくる...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...そして火鉢の上に掩(おお)いかぶさるようにして...
有島武郎 「親子」
...地上部隊を掩護(えんご)しようというのである...
高見順 「いやな感じ」
...今にも頭の上から掩(おお)い被さってくるような気持がすると...
橘外男 「逗子物語」
...私がとしるしをつけた北向きの座敷の前あたりへ来た時に――この部屋は杉の木に前を掩(おお)われて...
橘外男 「棚田裁判長の怪死」
...茅(ちがや)なぞの胸まで掩(おお)うた細い山道にかかります...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...是以水來土掩...
内藤湖南 「日本文化の獨立」
...枕元(まくらもと)の火鉢(ひばち)は戸口(とぐち)からでは彼(かれ)の薄(うす)い白髮(しらが)の頭(あたま)を掩(おほ)うて居(ゐ)た...
長塚節 「土」
...廂を掩うて居る桐の木がもう落葉して居るので其落葉へ雨はばしや/\と打ちつける...
長塚節 「隣室の客」
...お勢は両手で嬌面(かお)を掩(おお)い...
二葉亭四迷 「浮雲」
...従者は耳を掩うて突っ伏し...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...その上をまた清潔なる木綿の繃帯にて掩ひ...
正岡子規 「明治卅三年十月十五日記事」
...それから二疋(ひき)の動物(どうぶつ)は其(そ)の顏(かほ)をその前足(まへあし)で掩(おほ)ひ隱(かく)しました...
レウィス、キァロル Lewis Carroll 丸山英觀訳 「愛ちやんの夢物語」
...童子掩堡もなければ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...庭へひき出して……ああ」菊千代は両手で顔を掩(おお)い押えようとする松尾の手の下で身もだえをした...
山本周五郎 「菊千代抄」
...四の四狭い土間に立ったまま、袂で顔を掩い、声をころしておすえは泣いた...
山本周五郎 「さぶ」
...おせんは切窓に倚(よ)りかかって両手で面(おもて)を掩(おお)いながら噎(むせ)びあげた...
山本周五郎 「柳橋物語」
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