...捨て難いなつかしみを感じてゐる...
芥川龍之介 「本の事」
...それに夢見るやうな静かな谷であるのが捨て難い...
田山録弥 「あちこちの渓谷」
...しかし、秋おそい、山村の小話としては、捨て難い、私はそんな風にも思つた...
津村信夫 「猟人」
...往々我々にとって一番捨て難い宝(たから)なのです...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...捨て難い風致(ふうち)の径(こみち)なので其処だけわざ/\草を苅らずに置いたのであった...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...兵馬をして甲府をこのまま見捨て難いものにするのでした...
中里介山 「大菩薩峠」
...ずっと黄昏(たそがれ)の色が捨て難い風光を見せているけれども...
中里介山 「大菩薩峠」
...すべてに便利だとは思うけれども捨て難い...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...コロムビアのワインガルトナーも捨て難い名盤である...
野村胡堂 「楽聖物語」
...そこから歌の生命が生れて何の奇もないこの歌が捨て難いものになるのであらう...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...そしてこの昔風の園も同じやうに捨て難いものであつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...しかし万緑叢中に点々としてその純白花の咲いている風情はまた多少捨て難い所がないでもなく...
牧野富太郎 「植物記」
...やはり昔からの習慣は捨て難いものと見えて...
正岡子規 「病牀六尺」
...しかし余自身にはちよつと捨て難い処がある...
正岡子規 「病牀六尺」
...何か書き度いという気になったのさえ、そこには何か、捨て難い絆、縁のある証拠ではないだろうか...
宮本百合子 「思い出すかずかず」
...寧(むし)ろ小幅(せうふく)の肖像画に捨て難い物を発見する...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...露も捨て難い風情を増しまする」「待て待て...
吉川英治 「私本太平記」
...まだ捨て難い幻影がちらちらしていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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