...すなわち上から三段目へ戻る...
佐野昌一 「虫喰い算大会」
...とうに戻つて来てをりますから御安心下すつて結構です...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...それは再びその時分の心持に戻つたとは言へないまでにも...
田山録弥 「草みち」
...元へ戻ってしまった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...話は元に戻る...
中原中也 「詩と其の伝統」
...手水(てうづ)に行く間ほんの四半刻もたゝないうちに戻つて來ましたが」玉吉の言ふのはまことに伊三郎のためには致命的でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...東京へはもう戻らないと宣言した友からの手紙だつたが...
原民喜 「火の踵」
...こんな風にフラリと家を出てはカフェーで時を費したり活動写真へ入つたり寄席へ入つたり芝居の立見をしたりなどしては大概家へ戻るのは早くても十二時近くだつた...
牧野信一 「公園へ行く道」
...部屋に戻ると、一間はなれた部屋の、菊之丞の、皺枯れた咽喉が軽く咳(せ)くのがきこえて、ポンと、灰ふきの音――「おや、お師匠さま、お目がさめてでござりますか?」「おお、たった今、醒めたところ――」と、しずかに答えて、「何やら、人が見えたようであったな――あの牙彫(げぼ)りの親方のほかに――」ハッと、赧(あか)くなって、雪之丞――「はい――」「まず、これへ、はいるがいい」かすかに(た)き捨ての、香の匂うたしなみのいい、師匠の寝間にはいると、菊之丞、紫の滝縞の丹前を、ふわりと羽織って、床の上に坐っていたが、「たずねて来たのは、女子(おなご)衆の使でもあったようだが――」絶えず、愛弟子(まなでし)の上に、心をくばる、老芸人の心耳に狂いはない...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...大原は戻(もど)かしそうに「イイエ貴嬢のお拵えなすったのが何よりです」と言葉に力を籠(こめ)て言えど娘はよくも聞取らずして台所へ立って行く...
村井弦斎 「食道楽」
...画家は再び戸を鎖し、跡に戻り、物を案ずる様(さま)にて部屋の内をあちこち歩き、何かそこらの物を手に取りては置き、また外の物を手に取りては置き、紙巻を一本取りて火を付け、一吸(ひとすい)吸い、忽(たちま)ちそれを投げ捨て、右手の為事机に駈け寄り、慌ただしく物をかき始む...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 森鴎外訳 「家常茶飯」
...手を拡(ひろ)げて押し戻すようなる手つきをなし制止したれども...
柳田国男 「遠野物語」
...寛ぎを取り戻しに思い思いの方へ歩いた...
横光利一 「旅愁」
...今さら日本左衛門の所へ戻るくらいなら初めからかれを捨てて金吾という男はこしらえない...
吉川英治 「江戸三国志」
...与三兵衛が戻ろうとすると...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...戻ってくるからな」と...
吉川英治 「親鸞」
...音痴のぼくは落第、別府へ戻って、原稿に追われ出したのが、この家だった...
吉川英治 「随筆 新平家」
...兄の正行が出陣の折、吉野の仮宮まで、行を共にして、そこから別れて城寨(とりで)へ帰って来た三男の正儀は、戻るとすぐ、母の居間に姿を見せて、「母うえ...
吉川英治 「日本名婦伝」
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