...我にもあらず、そんな考えばかり浮かんでしかたがない...
伊藤左千夫 「廃める」
...彼女の足は我にもあらずそこへ釘づけになった...
犬田卯 「米」
...まだ盲目(めくら)にならない深雪が、露のひぬま……と書かれた扇を手文庫から出して人知れず愛着の思いを舒(の)べているところに跫音がして、我にもあらず、その扇を小脇に匿(かく)した、という刹那のところを一度描いたことがあります...
上村松園 「朝顔日記の深雪と淀君」
...我にもあらずいつか気が遠くなつてうと/\と眠つて仕舞つた...
相馬泰三 「夢」
...我にもあらずぬけいでて...
田澤稲舟 「五大堂」
...ああ、そんな事はとてもない!」彼はこの推測の至当なのに、我にもあらず、屈服するように見えた...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...彼は我にもあらず...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...何となくそのさびれ果てた周囲の光景が私の感情に調和して少時(しばし)我にもあらず立去りがたいような心持をさせる...
永井荷風 「日和下駄」
...我にもあらずカラカラと笑いました...
野村胡堂 「音波の殺人」
...我にもあらず前褄を掻き合せて俯向くと...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...腰を下ろして我にもあらず腕を組むと...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「お小夜が殺されて喜んでいるものがあるだろう」平次は我にもあらず愚問(ぐもん)を連発しました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「お小夜が殺されて喜んで居るものがあるだらう」平次は我にもあらず愚問(ぐもん)を連發しました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...我にもあらず弾いて居たのです...
野村胡堂 「死の舞踏」
...我にもあらず荒野の末にさまよい出た...
林芙美子 「泣虫小僧」
...この言葉は我にもあらずメァリーの唇から滑(すべ)り出たらしかつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...折ふし黄なる蝶の飛び来りて垣根に花をあさるを見てはそぞろ我が魂の自ら動き出でゝ共に花を尋ね香を探り物の芽にとまりてしばし羽を休むるかと思へば低き杉垣を越えて隣りの庭をうちめぐり再び舞ひもどりて松の梢にひら/\水鉢の上にひら/\一吹き風に吹きつれて高く吹かれながら向ふの屋根に隠れたる時我にもあらず惘然(ぼうぜん)として自失す...
正岡子規 「小園の記」
...二人を乗せたバケットが自分等の前までさがって来た時、監督をはじめ板張(いたばり)の床(ゆか)の上に立っている人々は、我にもあらず、一斉(いっせい)に歓声(かんせい)をあげた...
吉田甲子太郎 「秋空晴れて」
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