...唯一旒(いちりう)のうす白い旗が懶(ものう)げに暮色を揺(ゆす)つてゐた...
芥川龍之介 「蜜柑」
...殊に讀書に懶くなつた私は――殆んど接したことがないといつていゝ位で過して來た...
有島武郎 「水野仙子氏の作品について」
...倦怠、たゞ寒く、たゞ懶し...
種田山頭火 「其中日記」
...何ういうつもりで書いたのだろう? 自分は平常(ふだん)懶惰者(なまけもの)で通っている...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...御者(ぎょしゃ)は懶惰(ぶしゃう)な婢(はしため)の指頭(ゆびさき)から發掘(ほじりだ)す彼(か)の圓蟲(まるむし)といふ奴(やつ)の半分(はんぶん)がたも無(な)い鼠裝束(ねずみしゃうぞく)の小(ちひ)さい羽蟲(はむし)...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...平素はのらくらしていて随分懶(なま)け者だが...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...眼覚(めざ)めの懶(ものう)さに快い眩暈(めまい)が交じる初春であった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...激しい愛情の時期と懶(ものう)い冷淡の時期とが交々(こもごも)やってきた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...することがみんな懶い...
長塚節 「栗毛虫」
...その学者は決して懶惰(らんだ)無為(むい)に日月(じつげつ)を消する者に非ず...
福沢諭吉 「学問の独立」
...懶け癖がついて、日長一日のろのろしている...
牧逸馬 「ロウモン街の自殺ホテル」
...低き賃銀、薄き利潤、倹素な衣食に甘んじつつ過度の勤労に服する支那人に対して、一般に生活の向上した日本人が競争し得ないのは明かな事実ながら、猶併し予等は殖民地の邦人気質が概して下級労働を嫌忌し、懶惰、尊大、贅沢、虚栄の中に不当の利潤を求めて其日を送る風のあるのを否み難い...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...いよいよ気懶(けだる)げに振って答えた...
吉川英治 「黒田如水」
...懶(だる)そうに...
吉川英治 「新書太閤記」
...からだが懶(だる)い……」と...
吉川英治 「新・水滸伝」
...懶(ものう)いそうだぞ」「いや...
吉川英治 「平の将門」
...見るともなく周囲へ懶(もの)ぐさい目を投げた...
蘭郁二郎 「自殺」
...私は懶(ものう)く或る事を考へてゐた...
若山牧水 「樹木とその葉」
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