...私は今この類の憧憬を語ることさへ身分不相應であるやうな氣がしてゐる...
阿部次郎 「合本三太郎の日記の後に」
...人間の戀愛は分たれたる半身を求むるの憧憬である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...併し要するに奉仕とは愛を――融合の愛若しくは憧憬の愛を...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...併し自らを啓發するために常に準備してゐる魂でなければ――自らの中に未だ知らぬ者を求むる苦悶と憧憬とを持つてゐる魂でなければ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...人間の憧憬の対象とはならなかった...
石川欣一 「山を思う」
...僕は再び前世の蛙か田螺に還元(かえ)る憧憬と勇気とを持ち合せている...
辰野隆 「雨の日」
...その他の部分も必ずや母への憧憬(どうけい)で埋まっていたことであろう...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...一片の麩(ふ)を争う池の鯉(こい)の跳躍への憧憬(どうけい)がラグビー戦の観客を吸い寄せる原動力となるであろう...
寺田寅彦 「からすうりの花と蛾」
...そうしてさらに次にきたるべき時代への希望と憧憬(どうけい)といったようなものが封建期の子供らの頭の中に勢いよく芽ばえ始めたのであった...
寺田寅彦 「野球時代」
...お島に異様な憧憬(しょうけい)をそそった...
徳田秋声 「あらくれ」
...過去の文化に對する憧憬といつたやうな形になりがちであることに氣づく...
野上豐一郎 「「草衣集」はしがき」
...其の憧憬の念を益々深からしむるものがあるかを想像し得るのである...
濱田耕作 「埃及雜記」
...かの幻影に対する不可抗力的の憧憬がわたしを狂わせるようになったので...
エルンスト・テオドーア・アマーデウス・ホフマン Ernst Theodor Amadeus Hoffmann 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...そう考え憧憬(あこが)れていた乙女の夢を...
山本周五郎 「松林蝙也」
...人間もさうだ!手ぬるい夢や憧憬(あこがれ)や...
與謝野寛 「南洋館」
...憧憬(あこがれ)の満足に涙をたらした――あの日の印象を...
吉川英治 「平の将門」
...けれども憧憬の結晶のようにほのかな...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...彼岸への憧憬ではなかった...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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