...ポロス(豐足)とペニヤ(貧窮)との間に産れたるプラトンのエロスは現象の世界に在つてその到達し難き觀念の世界を抱かむとする永久の憧憬愛である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...人形町に憧がれたものが万年町を歌うようになるかも知れない...
内田魯庵 「駆逐されんとする文人」
...しきりと東京の空を憧れるようになったんです...
大阪圭吉 「三の字旅行会」
...自ら王位につくべく民衆の漠然とした共産的憧憬を利用させたのだ...
ピョートル・アレクセーヴィッチ・クロポトキン Pyotr Alekseevich Kropotkin 大杉栄訳 「革命の研究」
...寧ろ憧憬の念をさえ抱いて居ました...
谷崎潤一郎 「幇間」
...実際、長い間の旅、女なしの旅、野郎ばかりの旅、すさまじい蒙古風の連続、赤ちやけた色の山巒、人家があると思へば土壁の汚いのある室、たまさかにホテルの柔かな寝台の上に身を横たへても、あひにくにそれが二人寝の大きなベツトであつたりして、笑ひながら、嘆きながら、憧れながら、はるばる五十日も旅して来たことをかれ等は繰返した...
田山録弥 「海をわたる」
...空や森に憧るゝやうに...
徳田秋聲 「籠の小鳥」
...孤独放浪の気まぐれな憧れだった...
豊島与志雄 「父の形見」
...夜の灯に憧れる彼等の乱舞には...
豊島与志雄 「美醜」
...燦然(さんぜん)たる運命の方へ向けらるる無考慮で無限度な憧憬(どうけい)ほど...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ネルロが芸術というものに憧れている心持は...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 菊池寛訳 「フランダースの犬」
...どんなに熱烈な憧憬(しょうけい)であったか...
野村胡堂 「楽聖物語」
...この東方に深く憧(あこが)れた詩人の『西東詩集』には...
オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳 「ルバイヤート」
...真の英雄的なものに憧憬している...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...未知のものに対する憧れを感じたことに由来するであろう...
三木清 「読書遍歴」
...橘の眼はなにかに憧(あこが)れて漂渺(ひょうびょう)として煙(けぶ)っているようなところに...
室生犀星 「姫たちばな」
...つつましさのなかに娘らしい憧(あこが)れや夢をまじえて語り合っていた...
山本周五郎 「日本婦道記」
...無限に憧るゝ情念との融合を見出す...
吉江喬松 「山岳美觀」
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