...「憎いのは吉弥、馬鹿者はあなた、可哀そうなのは代りに行った芸者だ」と、妻は泣いて僕に語った...
岩野泡鳴 「耽溺」
...兎に角、一緒になつた男に、つい一年か一年半前こんな事實があつたのかと考へて、憎いやうな、妬ましいやうな、馬鹿らしいやうな、詰らないやうな、氣をその胸にかはる/″\起してゐたらしい...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...憎いほど謙遜と同情の態度を失わず...
海野十三 「雷」
...れいの心憎いまでの怜悧(れいり)無情の心で次のように述べてあります...
太宰治 「女の決闘」
...それを思えば憎い...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...「あなたはそんなにお胎の児が憎いんですか...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...それが憎いからこうしてくれるのだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...房五郎は憎い男だがお駒は気の毒さ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...疑いをそっちへ向ける気になったのだけは憎いが」「久兵衛を斬ったのや...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...庭へ唾(つば)を吐くのも憎いし...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...だから私は武家が憎い』と放言して...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――憎いのは下手人の疑を主人に被せようとした細工だ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...強さで自分を征服しようとしている男を憎いと思う様子は...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...仙人(せんにん)のように雲や霞(かすみ)を召し上がって生きて行くことはできるでございましょうか」とも能弁に言い続ける老女を憎いように思い...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...怨めしい憎い女と思召(おぼしめ)して...
夢野久作 「名娼満月」
...憎いほど高い所から睥睨して嗤つてゐるやうに思へる...
吉川英治 「折々の記」
...逃がしたのか」「いや、自害してしまいました」「自害したか――」と、将門は悵然(ちょうぜん)と歎声の尾を曳きながら、「憎い奴だが、さすがは、恥を知っている...
吉川英治 「平の将門」
...憎い嫁とも思うたが...
吉川英治 「宮本武蔵」
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