...大抵一度は美少年に恍惚とした記憶を蓄へてゐる...
芥川龍之介 「芭蕉雑記」
...彼は恍惚(うっとり)として暫く吾を忘れ...
李光洙 「愛か」
...観照に伴う恍惚がある...
大杉栄 「生の拡充」
...大膳、一見恍惚として、酌させけるが、醉ふにつけて、抑へきれぬ匹夫の本性、あたら名花をむなしく山奧に散らさむよりは、わが庭にうつして、手活の花と見はやさむと、みだりがはしき獸慾の嵐を柳にうけて、たしなみある女の、うはべには、すげなうもはねつけざるに、ます/\つのりて、其の歡心を得むとてや、たかが小さき城の主なるを、鼻うごめかして名乘り出せば、立田はじめて知る、嗚呼、これ不倶戴天の夫の讐敵...
大町桂月 「冬の榛名山」
...わたしはそれが憂鬱だったのか湧きかかった恍惚だったのかおぼえていない...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...荘厳さ!恍惚(うっとり)と見惚れながらも...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...眺めていると恍惚とした夢心地に誘いこまれるのだ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...恍惚(こうこつ)とした聴者たちは息をつくものもなかった...
長谷川時雨 「朱絃舎浜子」
...そしてこの恍惚(こうこつ)たる場面は...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「しめしあわせ」
...この世にも奇怪な光景から魔呵なる恍惚の浴霊に浸ると...
牧野信一 「酒盗人」
...にわかに目眩ましい渦巻になつて私の五体を得体の知れぬ恍惚の空に導いた...
牧野信一 「痴酔記」
...」と云つたテルヨの言葉をそのまゝ口真似して恍惚としたり...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...じっと拝するがごとく見恍(みほ)れた...
室生犀星 「津の国人」
...恍惚感や意表をつく喜びはかえって狩猟の方に多くある)と思うし...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...寺内(じない)へ入(はひ)つてヂヨツトの筆に成る粗樸(そぼく)にして雄健(ゆうけん)な大壁画に見恍(みと)れた...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...少年時から空想勝ちな兒で、學校の日課の準備をしてゐながら、遠い國々の事や、熱帶地方の光景なぞを胸に浮べて、恍りしてゐた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...どこへ行かれてしもうたのか」杉戸の絵に見恍(みと)れているうちに...
吉川英治 「宮本武蔵」
...恐ろしい恍惚境(エクスタシー)だった...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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