...急に思いかえして...
有島武郎 「親子」
...が、日の短い頃であるから、五時そこそこというのにもうとっぷりと日が暮れて、間は稲荷山(いなりやま)ただ一丁場(ひとちょうば)だけれども、線路が上りで、進行が緩い処へ、乗客が急に少く、二人三人と数えるばかり、大(おおき)な木の葉がぱらりと落ちたようであるから、掻合(かきあ)わす外套(がいとう)の袖(そで)も、妙にばさばさと音がする...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...これより甚だしいのは半日か一日ぐらいしか保たない生菓子を注文しておきながら急に不用になったという場合...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...もし入込み居る時は急に送り出すこととなり...
太宰治 「津軽」
...あてにしていた大森の借家が急に家主の都合で解約になりました...
谷崎潤一郎 「細雪」
...何や急に自分の体無細工(ぶさいく)に思われて来て...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...老中佐が急に病気で...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...急に帰るのを考えると...
直木三十五 「南国太平記」
...急にはしゃいだというわけではないが...
中里介山 「大菩薩峠」
...「これは不破の関守さん」「昨晩は失礼をいたしました」「どうもおかまい申しませんで」「友さんは――」「ちょっと今、出かけましたのですが、もう戻りそうなものです」「お雪ちゃん、あなた、少しお面の色が悪いようですな」「昨晩、ちょっとね……」「どうか致しましたか」「ちょっと加減が悪かったものですから」「それはいけません、お薬がございますか」「はい、お薬もございます、幸い……」と言ってお雪ちゃんは、お薬の次に、幸いお医者さんも――と言おうとして、急にさし控えて、「おかげさまで、もうすっかり癒(なお)りましたから、御安心下さいまし」「それは何よりでございます」不破の関守氏は、そろそろと炉辺へ近寄って来て、腰をかけ、煙管(きせる)を掻(か)き出しながら心安げに話をしました――「昨晩は、それでもまあ無事でよろしうございましたな」こちらは、あんまり無事でもなかったのですが、関守氏の言うことをあげつらうのも、と思ってお雪ちゃんは、「はい、おかげさまで……」「実は、ここまで押寄せて来はしまいかと、拙者はそれを心配したものでございますからな、ロクロク寝(やす)みませんでした...
中里介山 「大菩薩峠」
...急に堪(たま)らなく其の少女が貴く美しいものに思えてきたと...
中島敦 「虎狩」
...解(わか)っていますか」私は急に驚かされた...
夏目漱石 「こころ」
...急に高い声がしだした...
夏目漱石 「三四郎」
...四方が急に賑(にぎ)やかになった...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...急には起揚(たちあが)られぬ……俄に蹶然(むっく)と起揚ッて梯子段(はしごだん)の下口(おりぐち)まで参ッたが...
二葉亭四迷 「浮雲」
...ド・エスコバアルは急にこの前哨戦を打ち切った...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「なぐり合い」
...」眠元朗は急に胸が拡がるような...
室生犀星 「みずうみ」
...すると一座が急に浮かれて酒盃がかるやかに夜目にも白い運河を越えて...
吉行エイスケ 「孟買挿話」
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