...蜜柑(みかん)のつゆに染まりたる爪(つめ)を見つむる心もとなさ!手を打ちて眠気(ねむげ)の返事きくまでのそのもどかしさに似たるもどかしさ!やみがたき用を忘れ来(き)ぬ――途中にて口に入れたるゼムのためなりし...
石川啄木 「悲しき玩具」
...後藤君は既う葢を取つた茶壺の事は忘れて了つた樣子であつた...
石川啄木 「札幌」
...この二日で土の色は忘れてしまってどこへ倒れても決してよごれない...
板倉勝宣 「五色温泉スキー日記」
...ヨブが神を忘れ道に悖りしためその繁栄一朝にして失せたのであると主張したのである...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...運命を忘れる事が出来ませんでした...
太宰治 「津軽」
...涼み台もつい忘れられがちになった...
寺田寅彦 「小さな出来事」
...世人は忘れはしないだろう...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...暫くの間でも全く忘れてしまいたいと思うのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...けろりと忘れたように...
中村地平 「南方郵信」
...彼は今まで忘れていたお延の事を急に思い出した...
夏目漱石 「明暗」
...明らかにかつての船員の妻ではない!「美代子――美代子!」氏はもう一度我を忘れて叫んだのである...
橋本五郎 「地図にない街」
...ダンスチーム忘年会で行く...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...その題も忘れたし...
堀辰雄 「小説のことなど」
...自分の苦痛を忘れさせるためであるのを...
堀辰雄 「麦藁帽子」
...空腹さえうち忘れ得た...
本庄陸男 「石狩川」
...わたくしのことはどうぞこれぎりお忘れ下さいまし...
山本周五郎 「菊屋敷」
...私が関係した事件でなかったので忘れるともなく忘れていた...
夢野久作 「暗黒公使」
...そして自分を恨むことを忘れていた...
吉川英治 「新書太閤記」
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