...微かなる明暗の交替を現ずるのみで...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...それはジージーと微かな音を立てて見る見るうちに横に小さい円を描いて伸びていった...
海野十三 「地球盗難」
...微かな声で「それでは――」と...
直木三十五 「南国太平記」
...流れている水面にまた無数の微かな波紋を作って...
中井正一 「美学入門」
...地本さんは突然妙な微かな爆音を耳に聞きとめた...
永井隆 「長崎の鐘」
...あの声は……」二人は廊下の闇を微かな雪洞(ぼんぼり)の光をたよりに山崎の様子をうかがうと...
中里介山 「大菩薩峠」
...到頭夏休み中かかって微かな火花の痕跡の写真が撮れるというところで満足するより仕方なかった...
中谷宇吉郎 「線香花火」
...思いがけないある微かな...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...「君は見たか ほんの微かな香りの中に親しい匂いを嗅ぎつけた 馬たちの身体が打ち震えるのを?」[30] ラマルチーヌ 一七九〇ー一八六九 詩人...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...その微かな参差の奥に人を喚んでゐる...
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...鼻の下に和毛の微かな陰翳はごみっぽいような疲れたような感じに見える...
「海流」
...――お前の着物を脱げ!恐怖の中に私は羞恥と微かな憤りを感じながら...
三好達治 「測量船」
...彼らの幼い時代の行為の中にみとめられるあの微かな前兆には...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...微かな紅は、薄紫に變り行き、やがてまた餘山の頂きに閃めく落光を一身に反映し集注せしめつゝ、更に淡紅色に甦り、この色を最後までとゞめて彼女ひとりのみが、他の山々の暗灰色にひれ伏す夕闇の上に、消えずに殘つてゐるのである...
吉江喬松 「山岳美觀」
...赤い渦巻から微かな光の粉が風にふきこぼれ――何かの合図でも外へしているらしく思われた...
吉川英治 「新書太閤記」
...父の部屋でする微かな物音に耳をすましたものである...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...大きく露出した岩の根には微かな青みを宿した清水が瀬をなし淵を作つて流れてゐるのである...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...見渡す限り微かな風もない...
若山牧水 「山寺」
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