...しかも玉次郎を殴(なぐ)った玉造もかつて師匠金四のために十郎兵衛の人形をもって頭を叩き割られ人形が血で真赤(まっか)に染(そ)まった...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...時々取り出しては慈母(じぼ)の霊前(れいぜん)に額(ぬか)ずくがごとく礼拝した「この人形の折檻(せっかん)がなかったら自分は一生凡々(ぼんぼん)たる芸人の末で終ったかも知れない」としばしば泣いて人に語った...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...貴き御方の御慰みに遊ばされ候形見かと思へば...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...しかも年長者の方が――古い船の船首についている人形が傷められ瘢痕づけられているように...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...どうかこういう国家的にも世界的にも意義の深い仕事に有形無形の援助を惜しまれないようにこの機会をかりて切望する次第である...
寺田寅彦 「地図をながめて」
...実は極めて原生的な形の常識なのだ...
戸坂潤 「思想としての文学」
...この対象化されたものと見るべき形式的直観のこの表象の統一はカントによれば「与えられたる直観一般の多様を範疇に従って根本的な意識に結合する統一に外ならない」(S. 161)...
戸坂潤 「物理的空間の成立まで」
...――壁の片隅に恐ろしい形のものが白く書かれてるのを...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...この活力節約の行動はどんな場合に起るかと云えば現代の吾々が普通用いる義務という言葉を冠して形容すべき性質の刺戟(しげき)に対して起るのであります...
夏目漱石 「現代日本の開化」
...あの人形に身売をさして...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...「番頭さんは長湯かえ」銭形平次は不意に口を挟みました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...また戦争というものの発展形式を諷刺しようとしているのでもない...
久生十蘭 「だいこん」
...一定の時代に於ける歴史敍述とその時代の他の諸文化との間には同形性が見出され得るといふことも生ずるのである...
三木清 「歴史哲學」
...その形怪異で牛若丸の対手(あいて)としていつも負けている烏天狗や応竜の日本画に似...
南方熊楠 「十二支考」
...人形は船長室に安らかに眠りつづけたまま届けられた...
三好達治 「オルゴール」
...厭世の目には諸行無常の形とも見ゆらむが...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...五月の巻餅(まきもち)や粽(ちまき)の円錐形と...
柳田国男 「木綿以前の事」
...そこで人形使いはやむなく立って柱から狐を取りそれを使って見せた...
和辻哲郎 「文楽座の人形芝居」
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