...仏頂寺弥助と竹刀(しない)の立合...
中里介山 「大菩薩峠」
...すり抜けた時に仏頂寺弥助が...
中里介山 「大菩薩峠」
...そこで、鶏の声が聞えたから、はあ、もう占めたものだと夢うつつのさかいで、ホッと息をついていると、どこかで荒らかに戸をたたき、「兵馬、兵馬、宇津木兵馬が、もしやこのところに来てはいないか、仏頂寺弥助と、丸山勇仙がやってきたよ」すわ! と夢うつつのさかいを破られました...
中里介山 「大菩薩峠」
...仏頂寺弥助は、しっかりと耳錠(みみじょう)かいながら、「まだ、やってるかい」「うむ」丸山勇仙がうなずいてみせると、面(かお)をしかめて、いっそう耳錠を固くする...
中里介山 「大菩薩峠」
...仏頂寺弥助は長押(なげし)にかけた薙刀(なぎなた)を見つけて...
中里介山 「大菩薩峠」
...「丸山――」「何だ」「おたがいは亡者だな」「まあ、そんなものだろう」「宙宇(ちゅうう)に迷ってるんだ」「まあ、そんなものだ」「天へも上れず」「地へも潜(くぐ)れず、かな」「東の方(かた)、江戸表も鬼門」「西の方、長州路は暗剣」「のめのめと故郷へは帰れず」「そうかと言って、また来た道を引返すのはうんざりする」「所詮(しょせん)……」「考えてみると……」「我々は、どこへ行こうと言って思案するよりは……」「何の目的で、こうして旅をして歩かねばならないのか」「それよりはいっそ――何故に我々は生きていなけりゃならねえのか、そいつが先だ」「むずかしいことになってしまったぞ!」「考えてみろ、おれも、貴様も、何のために生きているのだ」「そいつは困る」「困るたって、それを解決しなければ、永久にこうして亡者として、八方塞がりの籠の中を、うろうろ彷徨(うろつ)いて、無意味に行きつ戻りつしていなけりゃならん」「なにぶんやむを得んじゃないか」「ところが、今やそのやむを得ざることが、得られなくなってしまった――おれはもう、こうして旅から旅の亡者歩きに大抵倦(あ)きてしまったよ」「だって、やむを得んじゃないか、君ほどの腕を持っていながら、この手腕家を要する非常時代に、いっこう用うるところがない、拙者ときた日には、君ほどの腕のないことは勿論(もちろん)だが、儒者となるには学問が足りない、医者となるべく術が不足している、英学をかじったが物にならず、仕官をするにはものぐさい、日雇に雇われるには見識があり過ぎる――亡者としてうろつくよりほかには道がないじゃないか」「その亡者として生きる道がもう、つくづくおれはいやになったのだ」「では、どうすればいいんだ」「考えてみろ」「考えろったって、この上に考えようはありゃせん」「斎藤篤信斎は、剣術を使わんがために生きている」「うむ」「高杉晋作は、尊王攘夷のために生きている」「うむ」「徳川慶喜は、傾きかけた徳川幕府の屋台骨のために生きなけりゃならん」「うむ」「西郷吉之助は、薩摩に天下を取らせんがために生きている」「うむ」「小栗上野(おぐりこうずけ)は、幕府の主戦組のために生きている」「うむ」「勝麟(かつりん)は、勤王と倒幕の才取(さいとり)のために生きている」「うむ」「岩倉具視(ともみ)は、薩長を利用して、薩長に利用せられざらんがために生きている」「うむ」「土佐の山内や、肥前の鍋島は、薩長だけに旨(うま)い汁を吸わせてはならないために生きている」「うむ」「会津、桑名は、徳川宗家擁護のために生きなけりゃならん」「うむ」「さて、それから宇津木兵馬は――」「は、は、は、少し、人物のレヴェルが変ってきたな」「宇津木兵馬は、兄の仇を討たんがために生きている」「うむ」「お銀様という女は、父に反抗せんがために生きている」「うむ」「机竜之助は、無明(むみょう)の中に生きているのだ――ところで、仏頂寺弥助と、丸山勇仙は、何のために生きているのだ」こう言って、仏頂寺弥助のカラカラと笑った声が、またもすさまじく、森閑たる小鳥峠の上にこだましました...
中里介山 「大菩薩峠」
...仏頂寺弥助と丸山勇仙の二人に見換えて...
中里介山 「大菩薩峠」
...弥助の家内(かない)が...
新美南吉 「ごん狐」
...「利助兄哥を怪我さした時は判りませんでしたが、弥助を殺した時、これは、長物だと気が付きました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...弥助」次第に通る訴えの筋を...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...一と通り挨拶焼香が済んで、弥助、お楽、お吉、源吉、ガラッ八と二人の武家を、店の次の間――仏壇の前に並べると、平次は静かに口を切りました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...弥助に向ひて「いゝ男だなあ」とてれかくしをいふ...
三木竹二 「いがみの権太」
...家に入りて弥助に向ひ「昼日中に店つつあきでとつついたり...
三木竹二 「いがみの権太」
...維盛弥助をいがみの権太が召捕つた」といひ...
三木竹二 「いがみの権太」
...「そんなところからなんだ、弥助(やすけ)だな、このばか野郎」と卯兵衛はどなった、「屋根の上から先生に声をかけるという法があるか、馬方をしていたってそのくらいの礼儀は知っているだろう、おりて来い」「屋根が飛んじまうがいいかい」「屋根がどうしたと」「この風だよ、うへえ」と屋根の上の男がどなり返した、「怒っちゃいけねえよ、差配さん、いまのうへえってのはおまえさんの名めえじゃあねえ、おそれいったときの合の手だからね、うへえ」「ふざけるなこの野郎」「あがって来てみな、わかるから」と屋根の上の男がどなった、「この屋根は半刻(はんとき)もめえからばきばきいってるんだ、おれがこうして重石(おもし)になってるからいいようなもんの、おれがどいてみねえ、いっぺんにひん捲(ま)くられて飛んでっちまうから」去定が笑って云った、「弥助、するとおまえは、風のやむまでそこにそうやっているつもりか」「どうもしようがねえ」と屋根の上の男が云った、「店賃が溜(たま)ってるし、この長屋を出るあてもねえんだから、まあ、わっちのことはしんぺえしねえでおくんなさい、先生」「呆(あき)れた野郎だ」と卯兵衛が云った、「そんなことを云って、屋根を踏み抜きでもすると承知しねえぞ」屋根の上の男がなにか云い返したが、「うへえ」という言葉しか聞きとれなかった...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...パッと家の内へ躍りこんだ九鬼弥助...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...お下げ渡しを願いに出たのでござる」「ならぬッ」弥助は一喝(かつ)をくれて...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...弥助よりも兇暴であるかもしれないが粗暴ではない...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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