...我々は十幾時間を...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...……そしてそのまま幾時間を私はぐっすりとこの頃にない快い眠りを恐れもなく憤りもなく悲しみもなく淋しみもなく夢うつつのような楽しい気持のうちに眠っていたことであろうか...
橘外男 「逗子物語」
...「あゝ、あなたか、」「何時、此所へいらしたんです、」「今のさき来たばかりなんだ、ぜんたい、今、幾時です、」「さあ、幾時ですか、まあ、そんなことは好いぢやありませんか、」「時間と場所を聞かないと、何が何やらさつぱり判らなくなつてゐるんです、云つて下さい、」「そんなことは好いぢやありませんか、私は、睡れないから曹達水でも戴かうと思つてまゐりましたよ...
田中貢太郎 「黒い蝶」
...幾時比(いくじごろ)です」「そうさね...
田中貢太郎 「一握の髪の毛」
...先途がわからずに幾時間もめちゃくちゃにページをくっていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...幾時間も半ば裸のままじっと腰をおろしてぼんやりしていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...古参の者には言葉を返してはならぬし、命令に反くこともならぬとか、夜中の厠行は、幾時までとか、湯は新参者が一番に入って、古参の肩を流して、自分は御仕舞いに出るのだとか、化粧部屋は一番御仕舞いに入って、皆の掃除をして出て来るとか――細かいことが、無数にあった...
直木三十五 「南国太平記」
...そんなときには私は近処の原へいつて大木の立ちならんだ崖のうへに寐ころんで山を見ながら幾時をすごした...
中勘助 「銀の匙」
...二十六幾時(いくとき)の後なりけん...
中里介山 「大菩薩峠」
...昼寝の甘睡を貪(むさぼ)っていること幾時――自分の存在を知らしめないだけの天地の上に...
中里介山 「大菩薩峠」
...湖畔に立って、烟波浩渺(えんぱこうびょう)たる湖面の夜に触れると、そこにまた、この男特有の感傷に堪えられないものがあって、「おい、琵琶を弾(ひ)く、めくらの、お喋(しゃべ)りの坊主やあーい、離れ島にたった一人で残された坊主――無事でいるか、やあい」こう言って、また慌(あわ)ただしく町の方へとって返して、前の如く軽快に、用心深く、深夜をあさってみたが、幾時かの後、町の辻の中央で、ぱったり足をとどめたかと思うと、急に飛び上って、地団駄を踏み、「そうら見ろ、言わねえこっちゃあねえ」果して、果して、米友の睨(にら)みつけた町の大路の真中に、人間が一人、まさに斬られて倒されている...
中里介山 「大菩薩峠」
...幾時間経ったのか...
火野葦平 「花と龍」
...もう幾時間も前から玄関へ出て甥の帰りを待ちあぐねてゐたが...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...メァリーはいつも一緒に坐つては幾時間も私を見守つた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...精神の興奮は幾時間も私を眠らせなかった...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「落穴と振子」
...この幾時間ものあいだ――あるいはおそらく幾日ものあいだ――いま初めて私は考えた...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「落穴と振子」
...またほかの幾時間かは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...まだ死んでから幾時間も経ってはいない...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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