...實に幽かな物聲がする...
今井邦子 「佛法僧」
...天井に仕掛けた青い豆電燈の幽かな光を受けて...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...物音は極(ご)く幽かにしか漏れて来ぬが...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...幽かな音を發して落葉はふれ合つてこぼれる...
千家元麿 「自分は見た」
...「えゝもう少し起きてゐます」其時もう幽かな鼾は聞えてゐたに拘らずお霜婆さんは...
高濱虚子 「續俳諧師」
...私の気のせゐか幽かに御不快のやうに見受けられました...
太宰治 「右大臣実朝」
...地の底から遠く幽かに...
太宰治 「風の便り」
...田に添うて茂つた深い木立に入らうとした時に余の耳に幽かな笛の音が聞えた...
長塚節 「佐渡が島」
...さめかけたとは云へまだ殘つてゐる幽かな醉心地が私をそそのかし始めたのも事實だつた...
南部修太郎 「ハルピンの一夜」
......
波立一 「夜明の集会」
...幽かながらも城地の俤を遺して居る...
柳田國男 「ひじりの家」
...幽かながらも原因がわかって来たような気がする...
柳田国男 「雪国の春」
...長く忘れていたものの幽かな息づきに見え一層矢代の胸を締めて来た...
横光利一 「旅愁」
...幽かに梅の匂いも漂っている雪明りである...
横光利一 「旅愁」
...そして、彼女にこの定文句が通じないのを見ると、彼はブルトン語でかう言つた、『死んだんだ!』『死んだ!‥‥』と彼女は老年者の顫へ聲で、弱い幽かな、谺が無意味の文句を繰り返しでもするやうに、その言葉を繰り返した‥‥なるほど、彼女はこんな事ではないかと臆測してはゐた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...それでもなお幽かな吠え声や笛音さえもが悪意を込めた放縦な音調を呈していた...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...そしてまた幽かな音楽的笛音のことを――足跡を見た直後にどこか下の方から聞こえてきたような気がしたらしい――それは強風が吹く峰々の洞穴口から響いていた音に酷似していたにも拘らず...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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