...屹度海か、山へ行くね...
石川啄木 「我等の一團と彼」
...壁を洩れ来る月影に四辺(あたり)を屹と見渡せば...
泉鏡花 「活人形」
...土間取附(とっつき)の急な階子段(はしごだん)を屹(きっ)と仰いで...
泉鏡花 「薄紅梅」
...お帰り!」と屹(きっ)と言う...
泉鏡花 「歌行燈」
...宝塚ホテルの電話は屹度(きっと)蠅男の耳に入るに違いないことは...
海野十三 「蠅男」
...」「屹度よくなりますよ...
豊島与志雄 「愚かな一日」
...西洋の寺院は大抵単独に路傍(ろぼう)に屹立(きつりつ)しているのみであるが...
永井荷風 「日和下駄」
...「誰ですか」とお銀様が屹(きっ)と向き直りました...
中里介山 「大菩薩峠」
...「明日(あした)は屹度(きつと)來(く)るやうにいつて遣(や)つたよ」勘次(かんじ)はお品(しな)の耳(みゝ)へ口(くち)を當(あて)ていつた...
長塚節 「土」
...彼(かれ)は屹度(きつと)其(そ)の灰(はひ)を掻(か)つ掃(ぱ)いで去(さ)つたのである...
長塚節 「土」
...娘は屹度(きっと)厭(いや)だというに違ない...
「『土』に就て」
...その鋭い目を屹(きっ)と注ぎました...
野村胡堂 「青い眼鏡」
...思わず屹と立ち止りました...
野村胡堂 「女記者の役割」
...平次も屹となりました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あしたの朝は屹(きっ)と霜が深かろう...
長谷川伸 「幽霊を見る人を見る」
...屹(き)ッとお初を見上げたが...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...お手を下すには及ばぬ――拙者が――」立ちかかって、襟髪(えりがみ)をつかもうとすると、「これ、平馬さん、この俺に、指でもふれると、御隠居から御勘気(ごかんき)だぞ――見ろ、大事な品物を、御前にとどけに来ているのだ」「何だ! この函(はこ)は?」平馬が、大きな風呂敷包に、手をかけかけたとき、さっき、奥にはいった老臣が戻って来て、狽(あわ)てたように、「これ、門倉、何をなさる!」思いがけない一声に、「はッ!」と、平馬が、すくんで、「夜陰怪(け)しからぬ者がまいって、お玄関をさわがしております様子ゆえ――」「心添いはうれしいが、貴公、お出になるところでもない」老臣は、ぴしりといって、ふくれる平馬には見向きもせず、「その方、伺ったことを、御隠居さまに申上げたところ、とにかく逢うてとらせようとの思召(おぼしめ)し――お庭先きにまわれ!」「へえ、庭先きへね――へ、へ、へ」と、闇太郎は笑って、「この前とは、大分、もてなしぶりが違うが、その中(うち)に、御隠居の方で、屹度、この俺を、お座敷へ上げることになるよ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...屹(き)っと身を起して笠支配人の真正面に正座して...
夢野久作 「二重心臓」
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