...じっと私の身のまわりを取り囲んでいるばかり――私はその寂しさに震(ふる)えながら...
芥川龍之介 「袈裟と盛遠」
...このことだけは今日もなお何か我我の心の底へ滲(し)み渡る寂しさを蓄えている...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...此寂しさと此頼りなさは自分の「實なるものを實にする者」に對する...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...此家の門を潜り入った時の寂しさが思い出される...
伊藤左千夫 「浜菊」
...自分にはほろ/\自分の世界に於ける寂しさをしぼる涙がこぼれた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...母はそういう時にはひとり残される寂しさは曖にも出さなかった...
「草藪」
...心配もなく、寂しさもなく、苦しみもなかった...
太宰治 「女生徒」
...そこの広い部屋の寂しさに慣れるまでには...
徳田秋声 「黴」
...そして、ひよいと其處に湧いた空虚の感じと、寂しさの意識が、皆(みんな)の奧底にある果敢ない氣持を起させたことだらうと思ひます...
南部修太郎 「S中尉の話」
...ある故しらぬ孤獨の寂しさが...
萩原朔太郎 「宿命」
...公園の鞦韆(ブランコ)は寂しさうに垂れ下つて居りました...
牧野信一 「辞書と新聞紙」
...云はゞあんな寂しさから救はれようと努めた...
牧野信一 「毒気」
...取りとめもない雲のやうな寂しさに襲はれてゐた...
牧野信一 「南風譜」
...顔も姿も寂しさひといろに塗り潰されていた...
正岡容 「小説 圓朝」
...時としては寂しさに沈んでくる...
柳宗悦 「朝鮮の友に贈る書」
...馬車の蹄のかつかつと石を鳴る寂しさは...
横光利一 「欧洲紀行」
...寂しさと悲しさと然かもなほ言ひ難き誘引とを起す大洋は...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...しかしこの祖父の心の寂しさを...
和辻哲郎 「土下座」
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