...彼女の反応は存外あっさりだった...
...存外にもこのホテルは空いてるかも...
...存外なことに、私たちの会社もこの取引に関わっていた...
...彼女の努力は存外にも実を結んだ...
...存外なことに、あの有名人と知り合いだったという...
...存外深いらしい彼等の敵意に好奇心を感ぜずにはいられなかった...
芥川龍之介 「湖南の扇」
...「そんなでもなかつたわ」と言つてちびは存外平氣であつた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...美しい腕をもった子は存外少ないようである...
寺田寅彦 「自由画稿」
...障子というものがまた存外巧妙な発明である...
寺田寅彦 「日本人の自然観」
...涼味涼しいという言葉の意味は存外複雑である...
寺田寅彦 「備忘録」
...この戎の存外なるは左衞門尉などの少もはたらきにあらず...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...一方――お角の見た眼前の光景は、あの通りすさまじいものでしたけれど、また存外、簡単に、型がついてしまったようなものですが、しかし、このホンの一場の活劇の新聞が、忽(たちま)ちにして、恐ろしい伝播力をもって、加速度に拡がって行ったことは、如何(いかん)ともすることができません...
中里介山 「大菩薩峠」
...ところが、お松を悩ませた臥竜梅の下の桶屋さんなるものは、その手許(てもと)を見ていると、存外不器用で、且つ不熱心と思われないでもありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...もう二度使おうとは思わなかったですが、また手入れをしなければならないです」「新たに漁でもおはじめなさるのですか」「いや、漁ではありません、沖へ出なくても魚は捕れます」「では、急に何の必要あって」「海へ乗り出すのです、新たなる征服者が来たから、先住民族は逃げ出さなければならないです」「待って下さいよ、新たなる征服者というのは我々のことですか、先住民族というのは君のことですか」「そうです、あなた方は侵入者であり、征服者であります、新たなる征服者が来た時は、先住民族は逃げなければなりません、逃げなければ血を流します」「これは奇怪なお説です、誰が君を殺すと言いましたか、誰が君の血を見たいと言いましたか」「当然です、誰も言わないが、それが移住者の約束です」「そういう約束をした覚えもない」「人間同士の約束ではない、天則です、でなければ歴史です、人類相愛せよということは、猶太(ユダヤ)の大工さんの子だけが絶叫する一つの高尚なる音楽ですね、相闘え、相殺せ、征伐せよ、異民族を駆逐せよ、しからずばこれを殲滅(せんめつ)せよ――これは、歴史だから如何(いかん)とも致し難い、そこで、わたくしは殺されないさきに逃げます」「驚くべき誤解ですねえ、我々も、まず平和と自由とを求めて、この地に来たのですよ、歴史の侵略者とは違います、海賊ではありません、紳士です」「歴史の原則の前には、海賊も紳士もないです、あなた方は、平和を求めるつもりでこの島へ来ても、それがために、わたくしの平和が奪われます」「奪いません、おたがいに和衷協同して、相護って行き得られるはずです」「そんなことができるものか、現に、わたくしの平和が、こんなに乱されていることが論よりの証拠――やがて、わたくしが殺される運命は必然です」「左様な独断に対しては、もはや議論の限りではない、ただ、東洋人ということが、野蛮と好戦の代名詞のように心得ている君等白人の謬見(びゅうけん)からただしてかからなければならんのだが、それには相当の時間を要する、少なくともその理解の届くまで、君の出発を延期してはどうだ、果して、君が憂うるところの如く、我々は君を殺さずには置かぬ人類であるか、或いは存外、君と平和に交り得る人種であるか、その辺の見当がつくまで、出発を保留して置いてはどうか、そうして、いよいよ危険と結論が出来たその時でも、立退きは遅くはあるまい、その担保として――これをひとつ君に預けて置こうじゃないか、これは我輩の唯一の護身武器だ、安全の保証だ」と言って駒井甚三郎は、肩にかけていた鉄砲を取って、彼の前に提出し、同時にその帯革の弾薬莢(だんやっきょう)を取外しにかかると、「いや、違います、違います、あなたの観察が違います、わたくしは、あなた方を怖れるのではないです、歴史を怖れるのです、東洋の人を、野蛮だの、好戦だのと軽蔑するほど、西洋の人は文明を持ってはおりません、大きな宗教、大きな哲学、大きな科学、みな東洋から出ました、今、西洋だけが文明開化のように見えるのは、それは表面だけです、西洋の文明開化は短い間の虹です、やがて亡びますよ、わたくしは、欧羅巴(ヨーロッパ)に生れたけれど、欧羅巴が嫌いです、それで、国々を廻ってこの島へ来たです、が、これから、ここを逃げ出して、またどこか自分のくらしいい土地を求めて行きます」五十二吃々(きつきつ)として、こういう釈明をする間にも、異人氏は小舟の修繕の手を休めない...
中里介山 「大菩薩峠」
...存外不思議な効果をあらはすかも知れない...
中戸川吉二 「イボタの虫」
...主人も存外ホツとするかもわかりません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...官賊の間に偏せず党せずそれで先(ま)ず官軍は存外柔かなものであって...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...存外に利益が多くて...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...さてその歌を見ると存外に雄々しく強き者は少く...
正岡子規 「歌よみに与ふる書」
...蕃椒をコショウと呼ぶ地域は存外に弘い...
柳田國男 「食料名彙」
...管理と弁別とに存外の面倒がある...
柳田國男 「地名の研究」
...でも存外しっかりしているし...
山本周五郎 「末っ子」
...ところが、存外にも、「お前様か...
吉川英治 「宮本武蔵」
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