...外套の態(なり)で着座して...
泉鏡花 「薄紅梅」
...山を下る、その前日、私は、どてらを二枚かさねて着て、茶店の椅子に腰かけて、熱い番茶を啜(すす)つてゐたら、冬の外套着た、タイピストでもあらうか、若い知的の娘さんがふたり、トンネルの方から、何かきやつきやつ笑ひながら歩いて来て、ふと眼前に真白い富士を見つけ、打たれたやうに立ち止り、それから、ひそひそ相談の様子で、そのうちのひとり、眼鏡かけた、色の白い子が、にこにこ笑ひながら、私のはうへやつて来た...
太宰治 「富嶽百景」
...はじめよろしくをはりわろし――これが私にあてはまる常套文句だ...
種田山頭火 「其中日記」
...ガーエフは頭巾(ずきん)のついた暖かい外套(がいとう)を着ている...
アントン・チェーホフ 神西清訳 「桜の園」
...N君が帽子と外套を取って来てくれる間を出口でうろうろして...
寺田寅彦 「議会の印象」
...」と出口で外套(がいとう)を着かけている磯野に声かけた...
徳田秋声 「足迹」
...絹の婦人外套が投げ出してあり...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...奴隷じみるほど常套を盲拝していた...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...子供を外套にくるんで毒の樹の近くにねかしておくやうなものだつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...長くて黒い外套が...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...もめたら問い合わせるように言われました」第三十六章 鹿毛外套力の抜けたエイビスの手からヤスリが落ち...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...『古今』『新古今』の陳套(ちんとう)に堕(お)ちず真淵(まぶち)...
正岡子規 「曙覧の歌」
...薄い半手套をはめた両手は...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...おっかさんに貰った新しい外套(ぐわいたう)が見えないんですもの...
宮沢賢治 「いてふの実」
...尻尾の長い満州馬はいろんな形の荷物と皮外套を着たYとをのっけて...
宮本百合子 「新しきシベリアを横切る」
...よしそれならばこうして……」と云う中(うち)に自分の外套を脱いで...
夢野久作 「白髪小僧」
...茶褐色の厚き外套を着し...
夢野久作 「暗黒公使」
...云う栗鼠の毛皮の外套をつけた女の真珠貝のような耳垂が...
吉行エイスケ 「東京ロマンティック恋愛記」
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