...突然歌舞練場(かぶれんぢやう)の前へ出てしまったから奇体(きたい)である...
芥川龍之介 「京都日記」
...スルと奇体なものにて十分に三十秒位ずつ何だか漫然と感興が湧いて参り候...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...花屋の老婆が奇体な無関心さで客の老婆に花束を渡している...
谷譲次 「踊る地平線」
...奇体な捏(ね)り細工だった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...同じ奇体な分析病のために...
中島敦 「文字禍」
...ここには「ロス海の悪魔」だの「エレブス山の妖精」だのという奇体な幽霊がたくさんいて...
久生十蘭 「南極記」
...奇体に猛烈なあの Fox Trot を踏みながら...
牧野信一 「鱗雲」
...以上の作品は日を経れば経るほど奇体な光りを放ちながら多くの読書子の渇を医す作品として文壇の空に輝き続ける逸品であらう...
牧野信一 「彼に就いての挿話」
...何となしに彼の筒抜けたやうな奇体な嗤ひ声が思ひ出されたり...
牧野信一 「奇友往来」
...その標本画のうちに未だ酔漢の運動状態だけが不足してゐる――と彼は兼々私の酔態が稀に見る奇体なものであるからモデルになつて欲しいと望まれてゐた...
牧野信一 「痴酔記」
...事件に関心なくその一節だけを短篇小説乃至は散文で書かゝれた奇体なバラツドとしてお読み下すつても作者は不本意ではありません...
牧野信一 「南風譜・梗概」
...奇体なる装ひをなし町から町へ渡り歩きつつある怪し気な理髪師の仕業なり――といふことが判明したれども...
牧野信一 「変装綺譚」
...プラトンが心の秩序に相応して国家の秩序を考えたことは奇体なことではない...
三木清 「人生論ノート」
...どうしてこんな奇体な名前がついたのか...
宮沢賢治 「狼森と笊森、盗森」
...奇体(きたい)だと思っていたら...
宮沢賢治 「さいかち淵」
...奇体なことには、この古いお城下町は古くから仏教信者が多かった...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...「これをなあお子供衆のお腰に下げておおきやすと奇体(きたい)に虫除けになりますそうでなあ方々からくれくれ言やはりますので皆あげてしまいましてなあもうこれだけより残っとりませんけれど――どうぞお持ちやして」これは尼君がつれづれの手細工であった...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...かつてはなはだ奇体な旅の僧に逢った事がある...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
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