...西洋の天一坊(てんいちぼう)なのだ...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...天一坊が、真正(しんしょう)の落胤であるという事に、疑いの無い以上、そういう問答によって、顔色を変える必要は無かったが、人々は――天一坊も、附人(つけびと)も、越前を名判官(はんがん)であると信じ、その証拠物の調べにより、この問答の巧拙(こうせつ)により、もしかしたなら、何が何(ど)う成るか、判らぬと考えていただけに、伊賀亮との一問一答には、汗を出したのであった...
直木三十五 「大岡越前の独立」
...「ふむ」と、大膳は、かちかち音立てて噛(か)んでいた干栗(ほしぐり)を、頬の中へ仕舞(しま)いながら「成程(なるほど)――」「余を贋者にしようというのか」と、天一坊は、口早に、額を蒼白くしながら、叫んだ...
直木三十五 「大岡越前の独立」
...天一坊へ突出して「見覚えあるか」と...
直木三十五 「大岡越前の独立」
...天一坊は、こうして縛られたのも夢で、又すぐ、思いがけない事が起って、今度は、将軍の側(そば)にいるようになるかも知れぬ――何が何んだか、ここ一年余り、自分では何(ど)う考えても、訳の判らない事ばかりだ...
直木三十五 「大岡越前の独立」
...「それにて申せ、大事ない」老中は、三人、火鉢を真中にして、何か笑っていたが、「只今、南奉行御役宅におきまして、天一坊常楽院、赤川大膳以下を召捕りまして御座りまする...
直木三十五 「大岡越前の独立」
...とんだ天一坊ではあるまいかということだ」「ヘエ――」「千之助の死骸の揚がらないのを付け目に...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...――あれはやはり天一坊で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...一あれ程迄世間を騒がせた天一坊も...
浜尾四郎 「殺された天一坊」
...天一坊の運命は他の道を辿(たど)ったかも知れないのでございます...
浜尾四郎 「殺された天一坊」
...天一坊という名を御奉行様がお耳にお入れになりましたのは...
浜尾四郎 「殺された天一坊」
...そうして天一坊の側からはお落胤という証拠と致して公方様お墨附...
浜尾四郎 「殺された天一坊」
...それに致しましても天一坊が公方様のお胤(たね)であるかどうかと申す事まではお判りにはなりますまい...
浜尾四郎 「殺された天一坊」
...仮令公方様の御胤にもせよ紀州に生れて九州に流れ野に伏し山に育って来た天一坊が...
浜尾四郎 「殺された天一坊」
...次が八月狂言の「吾嬬下五十三次」で、天一坊は小団次、地雷也は嵐璃寛(りくわん)、お六は坂東しうかであつた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...どうしたら天一坊の憑き物をおとすことができるかに就いて...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...偽物の天一坊が本物だってよ...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...この街道をお通りになりました事は天一坊から以来(このかた)...
夢野久作 「斬られたさに」
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