...一冊は、夢中で我が家の、階子段(はしごだん)を、父に見せまいと、駆上る時に、――帰ったかと、声がかかって、ハッと思う、……懐中(ふところ)に、どうしたか失(う)せて見えなくなった...
泉鏡花 「絵本の春」
...謂はば正当防衛のために無我夢中であがいて...
太宰治 「お伽草紙」
...二人は夢中で語り合ひながらいつしか仲店の雑沓の間に交つて行く...
谷崎潤一郎 「戯曲体小説 真夏の夜の恋」
...したたか腰(こし)を打ったのも夢中で...
豊島与志雄 「泥坊」
...お冷水(ひや)を」お浜は何もかも夢中で騒いでいます...
中里介山 「大菩薩峠」
...何処(どこ)をどう歩いているか夢中であった...
夏目漱石 「それから」
...カアルソンはもう夢中で駈け出した...
南部修太郎 「死の接吻」
...その時はもう夢中で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...……夢中で全速力で彼は走つてゐるつもりなのだが...
原民喜 「火の踵」
...夢中で部屋の中を探し廻る...
久生十蘭 「キャラコさん」
...水夫はひどく驚いて夢中で棒をすべり下りて逃げ出した...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「病院横町の殺人犯」
...あとを追う高倉祐吉は半分は無我夢中であった...
本庄陸男 「石狩川」
...石段を夢中で駆け降りた...
牧野信一 「南風譜」
...夢中で船を脱けて来たのであつたが...
牧野信一 「山彦の街」
...なかば夢中でふらふらと大川のほうへ歩いていった...
山本周五郎 「柳橋物語」
...殆んど無我夢中であった...
夢野久作 「暗黒公使」
...まるで犬の市(いち)でも立ったように、夢中である...
吉川英治 「随筆 新平家」
...夢中で走ったかと思うと...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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