...夜陰(やいん)に訪はるゝ覺(おぼえ)なし...
高山樗牛 「瀧口入道」
... 485大地の面に暗黒の夜陰の幕を降らしむ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...夜陰に乗じ先ず二十艘(そう)ばかり乗出し...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...深い夜陰の彼方に没してしまい...
豊島与志雄 「春盲」
...支那蕎麦屋の夜陰に吹き鳴す唐人笛には人の心を動す一種の哀音がある...
永井荷風 「巷の声」
...厚い樫(かし)の扉を拳(こぶし)にて会釈なく夜陰に響けと叩く...
夏目漱石 「幻影の盾」
...夜陰にそつと忍び込んで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...探偵はどこでも必要だよ」第二十二章 夜陰もう話す時間はない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...愚昧な心の動きを、狡猾な昆虫に譬へて、木の葉にかくれ、陽(ひかり)を見ず、夜陰に乗じて、滑稽な笛を吹く――詩を、作つて悲し気な苦笑を洩らしてゐた頃だつた...
牧野信一 「或る日の運動」
...やがて大寒の頃になると櫟林の裏山から夜陰に乗じて野狐が襲来するさうだが...
牧野信一 「鵞鳥の家」
...そのうちで夜陰に乗じて土塀を乗り越すことなしに...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...平馬は、三斎の姿を見ると、礼儀正しく、畳に手をついて、「夜陰、突然、お愕(おどろ)かし申し、何とも、相済まぬ儀にござりまする」「うむ、よいよい――」と、三斎は、頷(うなず)いて物珍し気な目を連れの、闇太郎から離さずに、「して、それなる人物は、何者じゃ?」「平素より御隠居さま、一芸一能のある者共を、あまさず、御見知り置き遊ばしたいという、お言葉を承(うけたま)わり居りましたれば――」と、平馬は手を突いたまま、「これなる者は、今宵、御隠居所をさして参りまする途中、測らず、柳原河岸にて出会いました人物――...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...二四平馬は、三斎隠居の機嫌をとるために、夜陰ながら、路傍で拾って来た、怪賊闇太郎、――それが、隠居の気に入ったらしいのが、初めの中は嬉しかったが、いつまでも、闇太郎、闇太郎で、自分の方を、ついぞ、老人が、振り向いてもくれぬので、何となく、不機嫌になって来た...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...この夜陰にいずれへ参られる」「はい...
山本周五郎 「其角と山賊と殿様」
...烏巣へ行くのだと答えれば――夜陰といえども疑わずに通すにちがいありません」曹操は彼の言を聞いて...
吉川英治 「三国志」
...夜陰(やいん)に乗(じょう)じ...
吉川英治 「新書太閤記」
...……このままあのお二人をここに置けば、自分の信仰がくずれてしまうか、そうならぬ間に、厳しい詮議(せんぎ)の者の眼に見つかってしまうのは知れたことだが……」「お気の毒だが、出てもらおう、この山荘を」「えっ、追い出すのか」「そうではない、どこか他(ほか)のまったく人の気づかぬ所へ、そっと、夜陰にでも、移っていただくのだ」二希望の光明に燃えて、御所を脱けだした鈴虫の局(つぼね)であった、また松虫の局であった...
吉川英治 「親鸞」
...夜陰に乗じて事を為遂(しと)げるのは...
吉川英治 「宮本武蔵」
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