...噛むごとに事実その音がここ迄聞える程である...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...遂げでは止まずと齒を噛むのである...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...うすにごる青磁の皿のうへにもられた兎の肉をきれぎれに噛む心地にて...
大手拓次 「藍色の蟇」
...本へ本へと噛むことにしてゐた...
薄田泣菫 「独楽園」
...へそを噛むが如き思ひであつた...
太宰治 「先生三人」
...御主人の命令に従って自分に食事を給している召使を噛むなぞという理知は...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...敵に打たれて亡され塵を噛むことなかりけむ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...岬の岩角を噛む恐しい波の牙を見た...
永井荷風 「海洋の旅」
...つまみのしその実を噛むと...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...風景は僕を噛む 僕は風景を噛むああ 噛みあふ二つの お前と僕僕は日没前の時刻が僕をここへ誘ひだすのを知つてゐる...
原民喜 「火の子供」
......
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...いかにも噛む力の強そうな小さな顎(あご)がまッ赤な下唇をかすかに見せている...
本庄陸男 「石狩川」
...兎のやうに前歯でチヤキ/\ものを噛むのがこの人の癖...
眞山青果 「茗荷畠」
...猪の肉は時間をかけて焙るから、脂肪とたれがよく肉にしみこんでいるし、しこしこした薄焼の甘味と、少量の杏子の酸味とで、噛めば噛むほど、濃厚で複雑な味が、口いっぱいにひろがるのである...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...再び臍(ほぞ)を噛むような日がやってきますぞ」と...
吉川英治 「三国志」
...むしろ呪(のろ)わしい気がよけい胸を噛むばかりである...
吉川英治 「新書太閤記」
...と――見るまに、中の生命は断末のあえぎをあげて、なんと名状しようもない――耳を掩(おお)わずにはおられない、凄惨(せいさん)な震動を刻むようにさせて、船板とつづらの間を、噛むがごとく、ガタガタといわせた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...口へ抛り込む――噛むなんて暇はない...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「真珠の首飾り」
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