...それと共に門人玄沢に対していかに信頼の厚かったかを十分に覗(うかが)うことができるでありましょう...
石原純 「杉田玄白」
...油紙の厚いのと、シャベルと毛布(カモシカまたはトナカイ)の寝袋があればいいと思われる...
板倉勝宣 「春の槍から帰って」
...此れ天恵の厚き試験たるを感悟して...
関寛 「関牧塲創業記事」
...厚いどっしりとしたカーテン等さすがに見事な王室の調度が部屋を埋(うず)めて暖炉には火がチロチロと燃えている...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...ヂュウスの惠厚くしてトロイア堅城壞る時...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...錦紗(きんしゃ)ずくめの厚衾(あつぶすま)に深々と痩(や)せた体を沈め...
徳田秋声 「縮図」
...穏やかな長面(ながおもて)、大きな真面目な眼、直な鼻、豊かな額、厚いが強い唇、頬(ほお)や顎(あご)はがっしりと端正で、四角帽を被(かぶ)った彼の風采(ふうさい)を、時の人は「力に富み、意志に強かった」と伝えている...
野村胡堂 「楽聖物語」
...そして厚い紙に綺麗に清書して...
牧野信一 「鏡地獄」
...蜜柑は皮の厚いのに酸味が多くて皮の薄いのに甘味が多い...
正岡子規 「くだもの」
...一方には訳官の人達によって『厚生新編』のごとき大部の書の翻訳書が作られ...
三上義夫 「和算の社会的・芸術的特性について」
...その吏員の総会に出席された某村長氏の厚意により...
三澤勝衛 「自力更生より自然力更生へ」
...空は鼠色の厚い層雲に掩(おお)われ...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...……十一時を打ち終りますと同時に、眼の前の闇黒の中で、何かしら分厚い、大きな木の箱を閉したような音がバッタリと致しますと、間もなくパアッと大光明がさして、眼も眩(くら)むほどギラギラと輝やくものが、そこいら中一面にユラメキ現われました...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...その車輪には輻(や)に代へて単に三つの厚い板を片仮名の「キ」の字形に交叉したに過ぎない...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...厚い猫背をすこし反(そ)らして...
吉川英治 「新書太閤記」
...土橋道路から小さな流の上にかけられた厚ぼつたい土橋があり...
若山牧水 「村住居の秋」
...木綿の厚い刺子の服を用いる...
和辻哲郎 「鎖国」
...こういう信長の態度が宣教師たちに対する厚意を示していたことはいうまでもないが...
和辻哲郎 「鎖国」
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