...その声には慨歎の切々たる心情がひびきでていた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...二昔も程遠き今日からふりかえって考えてみると夢のような取り止めも付かぬ切々(きれぎれ)が...
寺田寅彦 「車」
...莫斯科(モスクワ)の小店なぞに切々(せっせ)と売溜(うりだめ)の金勘定ばかりして居るかみさんのマシューリナ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...処が北支那の民衆の切々たる懇望は何かというに...
戸坂潤 「社会時評」
...切々として人の官覚を動す力があつた...
永井荷風 「里の今昔」
...切々たる哀情が豊かに籠(こも)っている...
中里介山 「大菩薩峠」
...われわれは彼のこの切々の言(げん)を信ずべきでしょうか...
浜尾四郎 「彼が殺したか」
...却つて胸の中に深く切々と折り畳まれた...
牧野信一 「サクラの花びら」
...鹿の鳴く声きけば吾妹子の夢忍ばるゝ――云々といふ唄のメロデイを切々と伝ふてゐた...
牧野信一 「バラルダ物語」
...哀々切々の思いをたしかにこの唄い女は身をもって嘆き...
正岡容 「寄席」
...彼女は父に対する深い愛情を切々と訴え...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...それは切々たる告白の文字だった...
山本周五郎 「新潮記」
...切々(せつせつ)そこを掘り初めました...
夢野久作 「白髪小僧」
...すぐ崖下から聞えてくる尺八の呂律は切々として新九郎の胸に迫るのだった...
吉川英治 「剣難女難」
...哀婉(あいえん)切々の情...
吉川英治 「三国志」
...母を養うねがいは切々にありますが...
吉川英治 「三国志」
...この任務こそは、僧侶たる御身に課せられた当然の使命というものではおざるまいか」光秀は、切々、彼を説くのであった...
吉川英治 「新書太閤記」
...他の国民にも増して劣るものではないことを切々と話す...
吉行エイスケ 「孟買挿話」
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