...一度發見せられたる眞實は凡ての時に渡りて凡ての人の胸に噛み締められることを要する...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...凡てを撥無してもなほ飽き足らない戀人の熱情を髣髴させるのだ...
有島武郎 「詩への逸脱」
...凡てがわたしのように辛苦展転して生活することを望まない...
魯迅 井上紅梅訳 「故郷」
...凡べて美しい絹物を見たり...
谷崎潤一郎 「秘密」
...凡そ書物といふものには...
田山録弥 「私の考へてゐる事」
...甚だ平凡な出来事のようでもあるが...
寺田寅彦 「喫煙四十年」
...私の頭の中には、白髮の總髮で、痩せた細おもての燃えるやうな理想と犧牲心とで肩をそびやかした昌造の横顏が、かなり濃く映つてゐたが、いまはぼやけて、至つて平凡な、少々手先が器用で、物ずきで、尻輕な、どつか田舍の藪醫者みたいになつてゐた...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...殆んど凡てここを中心にして提出されているわけなのである...
戸坂潤 「社会時評」
...主として近代ドイツの文学史家の手によって造り上げられた概念であるように見える(之まで存在する殆んど凡ての文芸学なるものは...
戸坂潤 「認識論としての文芸学」
...凡(すべ)ての大(だい)なる芸術の尽きない生命が含まれるのではあるまいか...
永井荷風 「霊廟」
...凡(すべ)てが宗助(そうすけ)には陽氣(やうき)で珍(めづ)らしく聞(きこ)えた...
夏目漱石 「門」
...ときどき凡人の間においてもまた同様である...
新渡戸稲造 「自警録」
...うんと怨(うら)んでゐる者はなかつたのか」平次は平凡過ぎるほど平凡な問を持出しました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...たとえどんなに平凡(へいぼん)なものでもいいから...
堀辰雄 「美しい村」
...畢竟(ひっきょう)論語もバイブルも吾人が恐れ入るにも当らない凡書である...
正宗白鳥 「論語とバイブル」
...また同時に非凡な武器を二人に賦与したとも言えよう...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...平凡な人物でもある)と云う考えもわいて来た...
吉川英治 「剣の四君子」
...人間のもつ平凡な弱点へひとしく落ちてしまうのは是非ないものとみえる...
吉川英治 「三国志」
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