...――僕等をのせた円タクは僕のそんなことを考へてゐるうちに江東橋(かうとうばし)を渡つて走つて行つた...
芥川龍之介 「本所両国」
...と、大理石の建物にはあるまじき、ひょろひょろとした楽書(らくがき)の形になって彳(たたず)む処に、お濠(ほり)の方から、円タクが、するすると流して来て、運転手台から、仰向(あおむ)けに指を三本出した...
泉鏡花 「薄紅梅」
...「じかではなくっても――御別懇の鴾先生の、お京さんの姉分だから、ご存じだろうと思いますが……今、芝、明舟町(あけふねちょう)で、娘さんと二人で、お弟子を取っています、お師匠さん、……お民さんのね、……まあ、先生方がお聞きなすっては馬鹿々々しいかも知れませんが、……目を据える、生命(いのち)がけの事がありましてね、その事で、ちょっと、切ッつ、はッつもやりかねないといった勢(いきおい)で、だらしがないけども、私がさ、この稽古棒(よっかけて壁にあり)を槍(やり)、鉄棒(かなぼう)で、対手(あいて)方へ出向いたんでござんすがね、――入費(いりよう)はお師匠さん持だから、乗込みは、ついその銀座の西裏まで、円タクさ...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...円タクを値切って八十銭出した距離に...
海野十三 「地獄街道」
...恰度(ちょうど)円タクを操(あやつ)るように...
海野十三 「遊星植民説」
...外へ出てから先刻(さっき)の円タクの事を思い出したが...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「黒猫十三」
...」途中で乗った円タクを硝子屋の店先へつけさせ...
永井荷風 「ひかげの花」
...一緒に円タクに乗ってしまったのさ...
永井荷風 「ひかげの花」
...円タクは市内五十銭に決っていたものだ...
中島敦 「斗南先生」
...やがてケシの花だつたかを買つて円タクに帰つて来ると...
中原中也 「思ひ出す牧野信一」
...二人はビルディングの玄関から円タクを招ぶこともあり...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...待たせておいた円タクに乗つて...
林芙美子 「浮雲」
...円タクで街を見るだけでもいゝ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...円タクでさんざ腹を立てることあって竹川旅館へ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...円タク中々なし、ハイヤー高し...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...円タクで浅草迄行き...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...ガソリンの無いためにほとんど円タクもハイヤも...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...円タク買切で今夜は安心...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
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