...第一義の生活に於いて、俺のやうに鈍根な、俺のやうに迷執の多い人間は他にあるまいと思はれるほど、俺は惑つて、困つて、ひつかゝつて、進み兼てゐる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...兼ておん身の告げ給ひしに違はず...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...義雄は兼てさう思つてゐた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...「――兼て御約諾致し置候通...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...御居間方の次へ付く者が兼て用意をしていて差し出す...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...兼てより花月主人と午後一時を期し栄寿太夫を招ぎ清元節稽古の約あり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...兼て凖備せし蔵書の一部と画幅とを運去る...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...主人と居士は余が顫(ふる)えているのを見兼て「公(こう)...
夏目漱石 「京に着ける夕」
...兼て宗教その者の本質を示すものではなかろうか...
西田幾多郎 「愚禿親鸞」
...これは兼て肉体を一方ならず重んずる作者に新たに一の例証を与へた経験でもある...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...兼て長官へ内々御話いたしたこともある通り...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...竟(つい)には余りのけぶさに堪え兼て噎返(むせかえ)る胸を押鎮(おししず)めかねた事も有ッたが...
二葉亭四迷 「浮雲」
...竜巻村の村長から兼て噂に聞いてゐたところの...
牧野信一 「風流旅行」
...」とわたしは兼てからこれと睨んで...
牧野信一 「幽霊の出る宮殿」
...今春碩(いまはるせき)らは成善に兼て医を以て仕えんことを勧め...
森鴎外 「渋江抽斎」
...兼て噂に聞いてゐた...
森鴎外 「花子」
...兼てから顔と名前だけ知っている東作爺(じい)の姿が見えない...
夢野久作 「S岬西洋婦人絞殺事件」
...便所への通路を兼ておりますが...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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