...この全篇の大意を捉へるのは「心の抑へかた」と言つても好いかと思ひます...
芥川龍之介 「文芸鑑賞講座」
...眞理を愛するがために矛盾缺陷暗黒の一面をもたじろがずに正視せむとする精神とは全篇を一貫して變らないと信ずる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...地獄の關に刻めりといふ銘は、全篇を讀む間、我耳に響くこと、世の末の裁判の時、鳴りわたるらん鐘の音の如くなりき...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...全篇悲惨の調を帯び悲哀惨憺たる記事を以て満たさる...
高木敏雄 「比較神話学」
...ことに全篇の骨子として皆な人の唱道(しやうだう)するところ...
田山花袋 「秋の岐蘇路」
...全篇が立派な芸術品となつて...
田山録弥 「社会と自己」
...全篇三卷を讀み通すと...
土井晩翠 「新詩發生時代の思ひ出」
...全篇七卷三百二十五章...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...全篇作者の拵(こしら)えものに過ぎないと貶(へん)せられた...
夏目漱石 「田山花袋君に答う」
...あまりに人死にが多く全篇血をもって覆われて荒唐無稽をきわめているのが...
林不忘 「仇討たれ戯作」
...主人公ウェルテルが愛人シャルロッテに送った書簡で全篇が構成されているから...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...論者諸賢のため全篇通読の便利を計り...
福沢諭吉 「学問の独立」
...そんな憧れの心のみで全篇が埋つてゐるものさへあつた...
牧野信一 「秋晴れの日」
...されば太宰春台(だざいしゅんだい)が『通鑑綱目(つがんこうもく)』全篇を通じて朱子の気に叶(かの)うた人は一人もないといったごとく...
南方熊楠 「十二支考」
...或る人が「大地」を高く評価しつつ全篇に時間的感覚の欠乏している点をあげていた...
宮本百合子 「映画の語る現実」
...全篇青色く冷たい霧に包まれた中で...
山本周五郎 「青べか日記」
...『論語』全篇を通じて現われて来ない弟子なのである...
和辻哲郎 「孔子」
...それは全篇の構図をすでに知っている者の心に浮かぶことであって...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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