...むかし永光寺のほとりに貴人(きにん)何某(なにがし)住玉ひしに...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...ジョージアまたはマサチュセッツの何某閣下の話など...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...文壇の鬼才何某先生の傑作...
太宰治 「お伽草紙」
...神謡は多く何某神が“自らの体験を語った”という文句で結ばれていますが...
知里真志保 「アイヌ宗教成立の史的背景」
...われわれは浄瑠璃(じょうるり)の松王丸を見るかわりに俳優何某の松王丸しか見ることができないのであるが...
寺田寅彦 「生ける人形」
...天下晴れて東京府北多摩郡千歳村字粕谷の忠良なる平民何某となったのである...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...一金何十銭也廻沢何某様と隙間(すきま)もなくびらを貼(は)った...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...何某樣(たれさま)お立(た)ちの聲(こゑ)にぎはしく...
樋口一葉 「われから」
...イワン・ガウリーロッチ何某(なにがし)か!……こんな風にその官吏は独りでぼんやり繰返すのだ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...何処(どこ)の何某(なにがし)に便り誰の門人になってミッチリ蘭書を読(よん)だと云うことはないので...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...昨夜(ゆうべ)その何某(なにがし)がやって来て...
本田親二 「□本居士」
...――随分と思ひ切つた悪計なども現れて「質屋へ用達中」とか「流連中(いつづけちう)」とかは未だしもであつたが、「入院中、但し性病科故御心配無用」などゝやられて、折悪くも国元の父親に訪ねられて途方に暮れた者やら、待合何某方へ...
牧野信一 「女に臆病な男」
...方々の店を見聞した後に漸く日本橋の何某店で...
牧野信一 「断想的に」
...同時に、また、「ワーツ!」といふ気たゝましい叫喚の渦が、小屋全体をはね飛すやうに巻き起つたかと、見ると、当の桐渡ガラドウをはじめ、今迄私達の周りに太々しい面構えを曝して、動かばこその姿勢を示してゐた地主アービスも従者のアヌビスも、執達吏のドライアス、代言人のクセホス、周旋業の何某、伯楽(ばくらふ)の手代等といふ黒雲の面々が、一勢に弾(バネ)にはぢかれた蛙のやうに吃驚り仰天して、「ギヤツ!」と叫ぶと同時に、夫々その瞬間まで保つてゐた大業な姿制のまゝで、ぴよんと飛びあがつた...
牧野信一 「バラルダ物語」
...私が據り所にしてゐる報道や知識も何處の何某から出たものであるかを知らない...
三木清 「人生論ノート」
...何某の狂言師が狐の聲を發して飛上ると...
水上瀧太郎 「覺書」
...或る年同じ村の何某という男...
柳田国男 「遠野物語」
...五六上郷村の何某の家にても川童らしき物の子を産(う)みたることあり...
柳田国男 「遠野物語」
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