...稚ない時から好きであつた伯母さんと昔談(むかしばなし)をする樂みをさへ擲ち去つて...
石川啄木 「葬列」
...それで暫く物蔭に隠れて窺がっていると、村長さんだの、伯父さんだの、伯母さんだの、親類の誰彼なんぞの顔が見えるんで、中にはもう死んでしまった人なんぞが交っているもんですから、おかしいなあ、あの伯父さんは死んだ筈なのにまだ生きていたのかなあと、そんなことを考えながら待っていましたけれど、提灯の数が追い追いたくさんになって来て淵のまわりをウロウロしている...
谷崎潤一郎 「紀伊国狐憑漆掻語」
...その良人が、若いおりには、或大名のお抱えであったりした因縁(いんねん)から、桜田の不意の出来事当時の模様を、この伯母さんは、お島に話して聞かせたりした...
徳田秋声 「あらくれ」
...伯母さんの家へやって来ることになっていました...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...伯母さんやなんかに相談して大袈裟になると...
豊島与志雄 「月明」
...信心ぶかい伯母さんにはお寺といふものがなんとなく懐しかつたのであらうために私はときどきそこへつれてゆかれた...
中勘助 「銀の匙」
...それで伯母さんはあるとき私の病身がよくなるかどうかを伺つてみたことがあつた...
中勘助 「銀の匙」
...彼らはみんな三つ四つ年うへだつたが子煩悩な伯母さんになついて □ちやんとこのをばさん □ちやんとこのをばさん といふやうになり...
中勘助 「銀の匙」
...私は頭が沸きかへるほど上気して思ひだしては泣き思ひだしては泣きするのを伯母さんは貰ひ泣きしながら「泣かんでもええ...
中勘助 「銀の匙」
...伯母さんは家ぢゆうのがらくた物をよせあつめて...
中勘助 「銀の匙」
...翌朝まだうす暗いうちにたつた私の姿を伯母さんは門のまへにしよんぼりと立つていつまでもいつまでも見おくつてゐた...
中勘助 「銀の匙」
...伯母さんが田舎へ引取られてお出(いで)なされて...
樋口一葉 「十三夜」
...伯母さんは私達の貧乏を憐れんでは下すつたけれど...
水野仙子 「響」
...「どこかへつとめちゃいけないの? ナースチャ」「村には仕事がないんです」「……そうやって伯母さんのところにいつまでいたってしようがあるまいねえ……いくつ? お前さん」「来月で十七です」「モスクワへでも来りゃいいのに」なかばひとり言のように云い...
「赤い貨車」
...伯母さんさえ人並で居て呉れたらと思う事よ...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...その伯母さんが言いましたもんですから……」「お名前は……」「姫草ユリ子と申しますの」「姫草ユリ子……おいくつ……」「満十九歳二か月になりますの……使って頂けますか知ら……」これだけの問答で私等は彼女を採用する決心をしてしまった...
夢野久作 「少女地獄」
...伯父さんと伯母さんに一切を打ち明けて御相談になったアトに...
夢野久作 「冥土行進曲」
...「伯母さん」といふ聲が微かに耳に入つた...
若山牧水 「姉妹」
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