...いまにも白髪の老人が童子に琴でも持たしてやって来るのではなかろうかとおもわれるほどまるで仙境に遊ぶ心持ちがされた...
上村松園 「余齢初旅」
...仙境なればこそ、こんな太平楽も並べて居れるが、世の中は師走ももう二十日まで迫って来たのだね...
大杉栄 「獄中消息」
...3.逸樂の仙境で雪が降れば...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...河野は吉野山の仙境に住んでいて時どき熊山の仙境に往来しているとのことであった...
田中貢太郎 「神仙河野久」
...我(わが)ままを申すようなことになりますわ」「こんな仙境のような処なら...
田中貢太郎 「水郷異聞」
...「今晩もこの仙境でお泊りくださいましよ」牡丹(ぼたん)の花の咲いたような濃艶(のうえん)な女の姿が省三の眼前(めのまえ)にあった...
田中貢太郎 「水郷異聞」
...其頃は其仙境を何時(いつ)尋ねて行かれるであらうか...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...サロン何とかいったような陽気な仙境(せんきょう)に桃源(とうげん)の春を探って不老の霊泉をくむことにしよう...
寺田寅彦 「銀座アルプス」
...オルフェウスの仙境(せんきょう)の霊を浸してる光に似たおぼろな光が...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...曽て日和下駄なる一書を著すや市内に散在する空地を探りてその風趣を説きしがここに此の仙境あるを知らず従って言う処なかりき...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...それはまさに仙境であり...
中谷宇吉郎 「イグアノドンの唄」
...真に自然の仙境である...
平野長蔵 「尾瀬沼の四季」
...学校はあたかも塵俗外(じんぞくがい)の仙境にして...
福沢諭吉 「慶応義塾学生諸氏に告ぐ」
...かれははるかに仙境へ...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...T「吾こそは此の仙境に棲む天狗なり」そら出たと山賊達...
山中貞雄 「武蔵旅日記」
...近く石垣に沿うて咲き残つてゐる紅い一樹の桃の花までが支那の古典で見る仙境の聯想を促すものであつた...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...ここは古くから百鳥(ももどり)の仙境といわれているほどなので...
吉川英治 「新書太閤記」
...熊野も平家勢力と地下源氏の相剋(そうこく)の外にある仙境などではあり得ませんでした...
吉川英治 「随筆 新平家」
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