...今時分はもう此処から三十哩も先きへ行つてゐる筈だつたのよ...
テオフィル・ゴーチエ Theophile Gautier 芥川龍之介訳 「クラリモンド」
...寝ン寝子を今時分...
泉鏡花 「婦系図」
...今時分までねてるもんがどこにある...
伊藤左千夫 「隣の嫁」
...「今時分、何の音だろう?」硝子窓の方に耳をちかづけてみると、その窓硝子がビビビーンと鳴っているのだった...
海野十三 「○○獣」
...毎日毎日心の中ではあの人は今時分はどこにどないしておいやすやろ思うて気にかかっていたのやいうてはります...
近松秋江 「霜凍る宵」
...「今時分はみんな起きて騒いでるだろうよ」お島はそう思いながら...
徳田秋声 「あらくれ」
...「いったいだれが今時分森の中まで水をくみにやらしたんだい...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...丁度去年の今時分初めてここの二階を借りた当時...
永井荷風 「雪解」
...本来この女が今時分...
中里介山 「大菩薩峠」
...私はお若い方に立入って、野暮(やぼ)なことは申し上げるつもりはございません、あなた様が、第一にあのお松を可愛がってやっていただけば、それから後のことは、とやかくと申し上げるのではございません」といって七兵衛は、何か思い出したように台石から立ち上り、社(やしろ)の木立から少しばかり街道筋へ出て天を見上げ、「それでは、兵馬様、私はこれから三日の間に、あなた様のお望みだけのお金を調えて――そうですね、ドコへお届けしましょうか、ええと……浅草の観音の五重の塔の下でお目にかかりましょう、時刻は今時分、あの観音様の前までお越し下さいまし、その時に間違いなくお手渡し致します...
中里介山 「大菩薩峠」
...「おかしいな、全くふりのお客らしいが……出てみよう」ともかくも、一番先にそれを耳にした人に、出て応対をしてみる責めがあると観念して、北原は立って、「新助さんかね」「旅の者でございます、少々尋ねる人があって、これへ入り込みました」「何、たずねる人があって、いまごろ、今時分、ここまでおいでになった……」「御免下さい」北原賢次が土間へ下りて、ありあわせの草履(ぞうり)を突っかけて、戸をあけにかかった時、ふと本能的に、自衛の念にかられないでもありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...「今時分が丁度訪問に好い刻限だろう...
夏目漱石 「それから」
...もう今時分(いまじぶん)から手廻(てまは)しをするのだと氣(き)が付(つ)いた...
夏目漱石 「門」
...「誰ぢやな今時分に...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...「今時分、何の用事だい? 泥棒じゃあるめえし、夜中に踏み込まなくたって、逃げも隠れもしやしねえよ」(此儘行ったんじゃ困る...
葉山嘉樹 「生爪を剥ぐ」
...どうして今時分こんなところの寄席になんか出ているのだろう...
正岡容 「寄席」
...「今時分は奈良も京都も寒くつて駄目だらうな...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...今時分どこへ往くのだと聞かれた時...
森鴎外 「雁」
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