...余に欠点の多きは爾のしろしめすごとくにして余の言行の不完全なるは余の充分爾の前に白状する所なり...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...その壁紙はひどく不完全なはり方なので...
江戸川乱歩 「影男」
...幼稚で不完全な医療の実施は古代にゆっくりと進歩し...
ジェイムズ・サンヅ・エリオット James Sands Elliott 水上茂樹訳 「ギリシャおよびローマ医学の概観」
...双生児(ふたご)の現場不在証明(アリバイ)は極めて不完全なものであったし...
大阪圭吉 「石塀幽霊」
...客観写生という言葉は不完全な言葉であります...
高浜虚子 「俳句への道」
...もし失明以前を知っていたら失明後の顔が不完全なものに見えたろうけれども幸い彼は彼女の容貌に何一つ不足なものを感じなかった最初から円満具足した顔に見えた...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...直譯なるもの及び之れと密接の關係ある不完全なる和譯英字書の譯語を其儘に用うるの弊害世に知られて...
テニソン Tennyson 菅野徳助、奈倉次郎訳 「アーサー王物語」
...しかし実際には多くの場合にこういう発明はかなり不完全なものであったり...
寺田寅彦 「ジャーナリズム雑感」
...処で常識は一面に於て不完全な知識を意味する場合を有つであろう...
戸坂潤 「空間概念の分析」
...内務省的な形だけから云えば極めて不完全な仕方に於てではあるが...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...彼が使ったような不完全な彙語(いご)のもとにそれらを認知し得る者は...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...信用の出來ない不完全な凡ての設備に馴らされた日本人は自然と其に對する方法をよく會得(ゑとく)して居るのだ...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...飜訳も小説のに比べれば不完全なものが多いなぞといふ様様な...
中原中也 「よもやまの話」
...不完全な結晶は継ぎ足したり...
中谷宇吉郎 「雪の話」
...まず不完全ながら善...
夏目漱石 「創作家の態度」
...学校組織の不完全なると学者輩の無気力なるとにより...
福沢諭吉 「学問の独立」
...表現や描写の不完全な作品をよんでもそのすき間を補ってゆくような国内戦時代の自分達の経験...
宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
...まことに普遍的な正義と真理の存在することと、それに向かって人間が不断に向上することを、否定することはできないが、現実の人間、とりわけ政治的人間が住んでいる世界は、もっと低く、もっと不完全な、もっと相対的な世界であることを忘れてはならぬ...
矢部貞治 「政治学入門」
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